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「へえ〜ドライヤー持ってたんですね、郭嘉殿」
「なまえ殿が持って来たんだよ」
「父様が持ってけって!郭嘉は持ってないだろうから、そのまま置いて行ってもいいって言ってた!」
「ああ、だから女の子にしては渋い色だと…曹操殿が持たせていたの?」
「うん!」


夏侯覇殿の訪問が余程嬉しかったのかなまえ殿は満面の笑顔だ。一方の夏侯覇殿は、挨拶を済ませるなり部屋の探索をはじめる始末。暫く泊まるつもり、なのか。彼は確か、高校を卒業して就職したはいいものの、建築だったかインテリアだったか、そんな仕事を志したから大学に通っているんだっけ(密かに憧れていたコンビニの女の子がマイホームの話をしたから、だったか)(息子は昔から単純なんだよと夏侯淵殿は笑っていた)。


「学校は?休み…ではないよね?」
「あ、出張とか所用とか、それで休講なんですよ」
「ふうん」
「まあ見事に暇で、ならなまえの様子でも見に行こうかなと。叔父さんにも郭嘉殿の面倒みろって言われたし」
「何それ?」
「まあ適当ですけど、料理出来ないことはないし。何か作ってやれってことだと思います」
「…なまえ殿がいるからかな」


ここぞとばかりに陳羣殿も口を挟むんだよね。「これは社長が与えてくださった好機です。生活を改善なさい」だなんて、私の母親や恋人じゃないんだから。


「炒め物に煮物、鍋とか?味噌汁も出来るし!ま、可能な範囲でお手伝いしますから!」
「手料理!郭嘉、手料理だよ!」
「よかったね。…夏侯覇殿とも遊んでいたの?」
「仲権、妙才叔父様、元譲叔父様。よく家に来て遊んでくれたの!大好き!」
「そうなんだ」


惜しかったね曹丕殿。上手く溶け込んでさえいれば、この笑顔は曹丕殿にも。



20121117

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