死んだらどうなる?どうにもならない。 生きてるうちに永遠なんてないわ。えぇまったく。 セックスは嫌いじゃないけど好きでもない。 あぁちょっとまって、死んだ先に理想を見出だしている訳じゃないわよ?だって死んだらそれでお終いだもの。 そうよだから死こそ永遠なのよ。 そうね、例え生まれ変わることがあってもそれは今現在生命活動を行なっているワタシとは異なる存在。えぇ、例え記憶が残っていたとしてもねそれは完全なワタシではないの。 微妙に違うワタシ。 あぁまったく生まれ変わりだなんて在り来たりでつまらない恋愛ドラマみたいな事、考えるだけバカバカしい!! そう言えば永遠の愛を誓い合うだなんで間の抜けた事を抜かしたヤツが居たっけか。 アレは本当に頂けない。 あんなモノバカバカしいものの最たるものだわ! あぁ早く殺して頂戴。それともワタシが殺す方が先かしら? どちらにしてもお互いがやる事はただ一つ。 殺した死体から臓器を取り出してホルマリンに浸して標本にするの。そして防腐処理を施す死体とそれらを技局内でワタシか阿近の一番近くに置いておくの。もちろん技局内で一番目立つ所に、ね。 次にもう片方が死んだら二人一緒に火葬して、その骨を擂り潰して粉末になったモノをこっそり食堂に置くの。 アハハ、そうしたら知らない奴等がワタシ達を喰べるのよ!!コレって最高じゃない? そのあとはそいつらが厠で排泄してその排泄物は川に流れて海に行って蒸発して雨になってまたやつらが食す。 もう、なんて完璧なのかしら!! 食物連鎖と言う永遠のサイクルの一部に組み込まれたのよ! 「うふふ…」 「オイなんだてめぇ、気色悪い」 そんな事を勤務中に妄想していたら顔がニヤけてしまったらしく、阿近に怒鳴られた。 「うふふ、だってねぇ」 「『だってねぇ』じゃねぇよ。どうせろくでもない事考えてたんだろ、この変態ヤロウが」 「あら、キチガイ科学者にそんな事言われる筋合いないわ。どうせ阿近も似たようなこと考えてただろうし?」 彼はほとんど感情を表面に出さないが、今微かに彼はニヤけていた。 絶対キチガイな事考えてた。ワタシには分かる。 「はッ!殺してやろうか?」 「えぇそうして頂戴」 「ばぁーか、てめぇがオレを殺しやがれ」 二人して睨み合って次の瞬間にはゲラゲラと笑い出す。あぁ本当ワタシ達って変態でキチガイでとてもお似合いよね! うふふ、さぁてどちらが先に死ぬのかしら。 「オイ、変態」 「なぁに、キチガイ」 「「愛してる」」 ほんと変態もキチガイもおんなじ思考回路。狂ってる。 ---------- 2009,05,07 |