死にたかったなんてそんなのはただの嘘 殺されたかったの ズップリと脇腹に埋まる鋭利な切っ先は それでも私を楽にはしてくれなかった ど う し て … ? 赤い、あかい、アカイ、血が白い肌を濡らしてゆくのに 鼓動が弱まる気配がしない まだ死なんといて…? そんな愛おしそうな眼差しなんかを向けられたら 死ねるわけないじゃない まったく我が儘で強欲なヒト だって 私の最上の望みすら取り下げさせてしまうんだもの あぁ…これが惚れた弱味ってことね なんて呆れたように呟けば それはボクも同じや なんて言うもんだから ますます死ねなくなった それでも本当の最後にはちゃんと殺してね? 私もちゃんと殺してあげるから ---------- 2009,3,26 |