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聖誕祭



透き通るほど色素の薄いマリンブルーの髪を膝まで垂らす。そんな容姿も働いてか、彼女の全てが透明と言う異質さと儚さを纏っているように思えた。

いや、実際にそうなのだ。

それはまるで生まれたばかりの純真無垢な天使の魂を拘束するかのように造られた美しい人形のようでもあり、
また、この世の濫觴から終極を迎えるまでの永永無窮全てを知り見通す狡猾無情な魔女のようでもあった。

ふと彼女の手先に目を向けると、その透明な容姿に似つかわしくない長く硬く鋭利に光る、捕食者が獲物の喉笛を掻き切る爪が突き出しているのを見る。そして紅く妖美な鮮血を予想していたが、彼女の指先にこびりついていたのは赤褐色をし乾き始めた血液だった。

それを見るとやはり後者なのかと思うが、清水の如き声を聞くとやはり前者なのかとも思う。

結局の所、ボクは彼女に対する二極端の感情に悩まされただけだった。



(天使ですか)
(それとも悪魔ですか)

(いいえ、ワタシは神です)


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2009,07,28