さよならは言わない。 殺してくれるのなら、それは『ありがとう』と言うべきだから…。 死を望むのでは無く、死を『臨む』 甘い誘惑は赤い実では無く紅い舌。 タナトスは言う。 俗物的な悦びか崇高な死の予感か、 と。 けれど結局はどちらも同じ事。 慾望に塗れた怠惰的思考が産み堕とす、くだらぬ戯言。 タナトスはエロスに焦がれ、エロスはタナトスに焦がれている。 それなのにどうしてそこに救いが見出だせようか。 だから端から求めてなどいない。 求めるのでは無く… 祈るのだ。 願わくばキミに狂わされんことを、 と。 夢物語は現実に昇華される事無く散ってゆく。 今日もまた、変わらぬ笑顔で『おはよう』とキミに告げる。 生が死を求めるのなら、死が生を求めるのも必然。 嗚呼早く…一つにして……。 掠れる聲は耳にこびりついて離れない。 ---------- 2009,03,14 ラブシャ/ッフ/ルを見てかいりとおう/じろうの関係が羨ましくて書いた文 |