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酒と天パと姉貴と俺




さけくせ 【酒癖】
〔「さけぐせ」とも〕酒に酔ったときに出る悪い癖。しゅへき。
さかぐせ。
「――が悪い」






「オイ坂田ァーテメェ人が注いだ酒が飲めねェってかァ?」
「あ、あのね雪乃さん?坂田ってキミも坂田だからね?」
「あァん?ルセェな、んな小せェ事気にすんなよ。それでもキン〇マ付いてんのか?アァ?」
「ちょ、お姉様ァァ!!女性がキ〇タマとか言っちゃ駄目だからァァ!!!」
「うるせェーっつてんだろ天パ。坂田の癖に口答えすんのかァ?ん?」


右腕でヘッドロックした銀時に、左手に持った一升瓶を無理矢理飲ませようとする。その姿は正に、ただの酔っ払い。いや"ただ"のでは無い、か。"たち"の悪い酔っ払いだ。
初めは銀時の姉が上京してきたと言うこともあり、満開の桜の下花見をする事になったのだが、どこでどう間違えたのかこんな悲惨な現状を目の当たりにする羽目になっている。


「あ、姉上。これ止めた方が良いんじゃないですかね…」
「あらどうして新ちゃん?あんなに楽しそうに呑んでるじゃない」
「楽しそうって…アレ、銀さん口から泡吹いてますよね。雪乃さんのヘッドロック、完全にキマっちゃってますよね?」


薄れゆく意識の中、そう言えば昔っからこの姉は酒癖が悪かったと銀時は記憶を巡らせる。あの時だってそうだ。





ヅラと辰馬と高杉と五人で楽しく酒を呑んでいたはずが、気付けば姉は高杉の上に馬乗りになりヅラは半裸で部屋の柱に縛り付けられていた。


「ヤれよ高杉ィ」
「お前な、好い加減にしろよ」


ヒクヒクと顔を引き攣らせながら高杉は上に跨がる雪乃を押し退けようと抵抗する。
しかし悲しいかな、全くもってびくともしない。チクショウ、なんでコイツはこんなに力があるんだ。


「んだとォ高杉の癖にィー。男なら一発や二発や三発ヤれねェでどうすんだァ?」
「女が発とかヤるとか言うんじゃねェ!オイ銀時!このクソ姉貴どうにかしろ!」
「いやいやそれよりヅラをどうにかしなきゃだろ!つーかこれ、どうやって縛ったんだよ」


半裸…と言うか最早局部だけを上手く着流しで隠され全裸で芸術的とも言える格好で柱に縛り付けられているヅラ。
もうこの姉貴、何がしたいの…
ガッチリと意味不明な結ばれ方をされている紐を解くのに、銀時は苦心していた。


「銀ちゃーん。ヅラが可愛すぎるからって襲っちゃ駄目だよォー」
「いや襲わないし、誰のせいでこうなってると思ってんの?何この姉、もうヤダ…」
「嫌なのは俺の方だクソ天パ!コイツに迫られるとテメェに迫られてるみてぇで気持ち悪ィんだよ!」


姉弟なだけあって、矢張りどこと無く顔や雰囲気が似ているのは必然。頭上で手を畳に縫い止められ思うような抵抗が出来ない高杉。それを良い事にドンドン酔っ払いはエスカレートしていく。


「って、ヤメロ脱がすな!!…ヒッ…、ッ何し、やがる…!」


不意に首筋を舐め上げられ、思わず声が裏返る。この状況は男としてどうなのだろうか…あれ、何か涙出て来た。


「アハハハ雪乃、ワシならいつでもバッチ来いぜよ」
「卑猥な毛玉は黙ってろ」
「アハハ、これ泣いても良い?」


酔っ払っていてもそこだけは分かるらしい。至極嫌そうなジト目で辰馬を見る。

そう考えるとあの頃も今も何も変わっていないのかもしれない。……いや、アイツらがいなくなった分、全部が俺に降り注ぐのか、…
なんとかヘッドロックだけははずした銀時は懐かしく感傷に浸る、と言うより、今後の己の行く末を思い遠い目をしていた。



酒と天パと姉貴と俺



(性格が歪んでるから天パなんだって言うけど)
(お姉さん、貴女は髪じゃなくて殆ど性格に歪みがでてるから…!)


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2010,05,16
坂田家と土方家の姉は花見に乱入してきそう〜
という拍手を頂きまして思い立って書いてみたら
グダグダな下ネタになってしまいまった…