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蝶を食む



夢心地、そっとベッドの上に下ろされる。シングルベッドのスプリングが二人分の重みに小さく悲鳴。


「水、持ってきます」


額に軽くキスを落としてキッチンへ。アルコールの抜け切らない身体はふわふわと、それでも酔いの醒め始めた思考はクリアに。


「―――――バーナビー」


閉じた瞳に呟いた名前。差し出されたグラスの水を飲み干せば沸き上がる欲望。指先を絡ませキスでおねだり。


「まだ酔ってます?」
「少し、ね。素直に甘えられる程度には」


柔らかく微笑めば唇で唇を塞がれる。右手で頭を完全ホールド。啄み啄まれ、角度を何度も変えては口内に侵入し舌を搦め捕る。


「ん………、ふッ…」


上がる息。酸素を求め口を開いても、それすら僕で充分でしょうと言い出しかねない勢いで食らい付く。これでバニーちゃんと呼ばれているから質が悪い。私が知っる虎よりもよっぽどこの兎の方が捕食者らしいじゃないか。


「レティ…」
「…………、…っ……」


唇、頬、口端、首筋、鎖骨と徐々に下りてきては甘噛みと舌先でなぞる行為を繰り返す。勿論左手がおざなりになるはずもなく、スカートをたくし上げ太股の内側を、腰を、臀部を絶妙なタッチで撫でられぞわり下腹部が疼く。


「、バー、ナビー……ッ」


懇願。準備は出来てるの。だから早く。
そっと膨れ上がったスラックスの股下を指でなぞると、ピクリと肩が揺れ、動きが一瞬止まる。それを合図にジッパーを下げ前をくつろげ、スラックスを脱がす。ゆっくりと猛る雄をボクサーパンツの中から取り出し竿を扱けば、ヌルリと体液が絡み付く。
当然その間にもスカートは剥ぎ取られ、ブラウスも脱がされ早くもブラのホックに手が掛けられる。なんとまぁ手際が良い事。


「ん、…く………っ……」
「…っ、レティ……」


お返しとばかりに先端にキスを落としてからカプリと根元まで口に含む。両房を指の腹で弄りながらゆっくり、ゆっくり唾液を絡めながら舌で舐め上げてやれば、質量が増す。


「レティ、もう……」


早く挿れさせろと生唾を飲み込む音がやけに生々しい。もう少し、と調子に乗って再び顔を沈め様とすれば、気付かぬ内に茂みに伸ばされた指に割れ目をなぞられ思わず悲鳴。


「、ひっ、ャ……きゃぁぁ……!」
「もう、良いでしょう。ここもこんなに濡らしてるんですから」
「ッば、か……不意打ち…」
「お陰で可愛らしい悲鳴が聞けました」


ニヤリと加虐性を孕んだ笑み。そのまま膝を割り入れ押し倒されれば、うっすらと汗を滲ませた引き締まった胸板がすぐそこに。
器用に口と片手で袋を破き手際良くサックを装着 、準備万端。



蝶を食む



「――――あ…ッ………や、」


こじ開けられたすぼまりに圧迫感。痛い、訳では無いが、何度しても最初のこれは馴れない。
けれどそれすらも不規則に繰り返すピストン運動と共に乳房全体を揉み拉かれ、そして時折突起を転がされれば簡単に理性が飛ぶ。


「ッ…あ、ぁ…ァい、や……っ」
「ここッ、です、か…?」
「……ひっ…!、ン……だ、め…ぁ、ァ……」


反則、だ。
グチャグチャと掻き混ぜられた粘液の音よりも、彼の吐息の方が、声の方が、何倍も卑猥だなんて。


「…ハッ…も、……バーナっ、ビ…ぃ……」
「取り敢えず、一回イっときます、か…?」


年上の余裕?
そんなもの、クソの役にも立ちやしない。
腕を回した背中に十の爪痕を残す事しか出来ないのだから。


(Butterfly effect.)
(僕にとって貴女の一挙一動、全てがそう)


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2011,05,21