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いいなあ。


三つ編み眼鏡の彼女。あの子ととっても仲が良さそうで。

いいなあいいなあ。

私もあの子と仲良くなりたい。あの青くて柔らかそうな髪に触れたいしきっとあの身体は細くてふにふにしてて暖かいんだろうなあ。
きらきらしてて、お日様の匂いがするの、この間すれ違ったときに知ったこと。
でも、でもね、時々消えちゃうんじゃないかってくらい弱々しい本音がちらついてるの、その事私だけが知っていたらいいのにな。



いいなあ。


こんな内気で弱虫で地味な私じゃなかったら、彼女みたいなしっかりとしていてなんでもできる子だったら、あの子の隣にいられるのかなあ。
大好きだよ。大好きで大好きで仕方ないの。それなのに、どうして側にいることができないんだろ?どうして一言、声を掛けることもできないのだろう。
手を伸ばすことすらできない私はとても弱い。弱い虫。

大好きだよ真波くん。ほんとに大好き。


大好きな真波の後ろ姿を見て今日も涙を堪えた。






彼女の瞳はいつもゆらゆらと揺れてて、なんだかすごく綺麗だと思った。



同じクラスの名字さん。
あまりクラスでは目立たない女の子。
いつも一人で寂しそうなんだよなあ。一人でクラスの花壇の花に水をあげて、一人でお弁当を食べて、一人で本を読んで。
もちろん話したことはない。と言ってもまだ入学してばかりだし、俺は学校に行く日も時間もバラバラで不規則だから話すも何もって感じなんだけど。

たまに彼女と目が合う。

ゆらゆら揺れてて、いつも瞳を覆っている水の膜、すぐにでも泣き出してしまいそうな瞳。
何故だか視線を逸らすことが出来ないその瞳は壊れそうで綺麗だった。
俺が目を離せないでいると俺がじっと見ていることに気づいたのか赤くなったり青くなったりしながら顔を窓の外に向ける彼女がおかしくて、くすりと笑ってしまう。

彼女の瞳をつかまえてみたい





ああ、山を登りたいな。






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