◎前日 邦枝




今日こそ、古市の誕生日プレゼントを買おうと思い、再びやってきた店。俺自身はあまり来ないが、古市が好きだと言っていた店だ。前来た時は、神崎に邪魔されてあまり見れなかった店だ。
また用事があると言って、古市には先に帰ってもらったが、そのせいで古市と一緒にいられる時間が減っている。しかしそれも今日で終わりだ。明日は古市と一緒に帰って、プレゼントを渡して、あわよくば泊まってもらおう。出来るだけ長く一緒にいたい。次の日は土曜日だから、泊まってもらうにはちょうどいい。

しかしそんなことを考えていても、プレゼントは決まらない。あまりいいものが見つからなかったので、その店を出て別のところへ行く。

「お、男鹿?!」

と、その間に邦枝に会った。

「邦枝か。」

「こ、こんなところで、何してるの?」

邦枝は何故か顔を赤くして、俺に聞いてきた。

「あー…買い物。」

古市の誕生日プレゼントを買いに来た、とはなんとなく言いたくなかった。買い物だって間違ってはいない。そもそも買い物以外で、ここに来る理由なんてないんじゃないか?

「そうなんだ!えっと、そそそれじゃあね!」

邦枝はそのまま帰っていった。何がしたかったのか、イマイチよく分からなかったが、それよりも今は古市の誕生日プレゼントだ。



次の店は雑貨屋で、男も女も入っていく様な感じだった。色々な商品がある店で、ポップが面白いとか何とか古市が言っていた気がする。
ここもあまりいいものがない、と思って店から出ようとした時、ある商品が目に入った。



「毎度ありがとうございました〜。」

店員の声をBGMに、店を出た。









古市の誕生日まで
あと一日。





(後は明日を待つだけだ!)





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