※現パロ。高校生×大学生。清麿女体化。
校門へ向かうと、人だかりが出来ていた。何事かと思い、人の輪の中心を見ると、そこには年下の恋人が立っていた。
「ガッシュ!どうした?」
驚いて人の輪を掻き分けすぐさま駆け寄ると、眉を下げて少し困ったような顔をした。
「会いたくなったから来たのだ。迷惑だったか?」
恋人に“会いたくなった”なんて言われて、嬉しくないわけない。
「いや、迷惑じゃないよ。」
ただ、高校生になってからグングンと身長が伸びた恋人は、顔の良さも相まって人の視線を集めやすい。
今も人だかりが出来ていたのが、その証拠だ。自分が駆け寄ると周りにいた人だかりはなくなったが、背中に感じる背中は勘違いではないだろう。
「とりあえず場所変えるか。ここじゃちょっと…」
「高嶺!」
ガッシュを連れて立ち去ろうとした瞬間に、名前を呼ばれた。そちらを振り向くと、同じ学部で仲の良い男子が走って来るのが見えた。
「田口君?」
走ってきた彼は、持っていたものを差し出した。
「良かった、まだ帰ってなくて。はい、これ。この間のCD。」
それは話していた時にお勧めされて、そんなにお勧めするなら聞いてみようかなと言ったCDだった。
「あぁ!ありがとう!」
CDを受け取ると、彼はガッシュに目を向けた。
「そっちは?」
「あぁ。うーん…。」
彼氏と言うのは何となく恥ずかしくて言葉を濁していたら、ガッシュに肩を掴まれ引き寄せられた。
「私は清麿の恋人だ。」
それを聞いた友人は、少し驚いた顔をした。
「へえ。高嶺さん、彼氏いたんだ。」
「一応。」
はは、と返しながら肩を掴むガッシュの手を叩く。人前でこういうことをされるのは嫌いだ。特に知り合いの前では。
すると今度は服の裾を引っ張ってきた。凛々しい彼の幼い仕草には、胸がきゅんとするのを止められない。
「CDありがとう。」
「あ、あぁ。また明日。」
手を振ってから歩きだすと、ガッシュがいきなり手を繋いできた。
ガッシュの顔を見ると、なんとも形容しがたい顔をしていた。
「あやつ…。」
ガッシュが小さく呟いた言葉は、清麿に届くことはなかった。
「はあああ…。」
高嶺さんにCDを渡した後、友達のもとへ帰るなり溜め息が出た。溜め息どころか涙も出そうだ。
「どうした?」
尋ねてきた友人に、ついさっき起こったことを話した。
「あぁ…。まぁ高嶺さんくらいなら、彼氏の一人くらいいるだろ。」
「それが聞いてくれよ!高校生だったんだよ!しかも超イケメンの!」
くそ!と吐き捨てると、友人は控えめに聞いてきた。
「ちなみにどこの高校だ?」
その質問に答えると、友人は目を見開いた。
「マジかよ!?そこ、金も頭もなきゃ入れねぇじゃん!…どんまい田口。」
「うるせぇ!お前に言われなくても分かってるんだよ!」
はぁ、とうなだれると励ますように背中を叩かれた。
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ガ清♀妄想が激しい今日この頃。モブがでしゃばりました。第三者絡むの好きなんです。
清麿ちゃんは好かれてることに気づいてませんが、ガッシュは気づいたので、警戒心剥き出しです。