※古市女体化












「男鹿、腰…。」

お腹にカイロを当てて、ひざかけをかけて、机に突っ伏していた古市が小声で言った。
注意していなければ聞き取れないような声だったが、前を向いていた男鹿が振り返った。

「大丈夫かよ?」

「無理。やばい。痛い。」

いつものキレのある言い方でなく、机に突っ伏しぱなしということから相当辛いことが伺える。
が、隣で見ている俺―神崎一にはさっぱり分からない。
多分腹が痛いんだろうが、そんなにスカートを短くして足を出しているから腹が冷えたんだ。そう俺は結論付けた。
それよりも、いつもよりも弱々しくなっている古市も珍しいが、そんな古市を心配そうに見ている―んだろう。目つきが悪くて睨んでいるように見える―男鹿が珍しくて、つい横を見てしまう。その間も、男鹿と古市は会話を続けている。

「帰るか?」

「もう少し頑張りたい…。」

「薬は?」

「飲みたいけど、十二時になるからお昼食べようかなって…。でも何にも食べたくない…。のたうちまわりたい…。」

「ったく、あんま無理すんなよ。」

そう言って男鹿は、椅子ごと古市の隣へ移動した。そして古市の腰を撫でてやっていた。
赤ん坊も男鹿の背中から降りて、古市の机に座り古市の頭を撫でている。

「どうだ?」

いつもの悪魔のような表情からは想像出来ないほど、優しい顔と手つきで話し掛けるもんだから、俺の前の席の邦枝は魂が抜けていた。いや、確かにあの表情はすごかったけれど。

「なんか気持ちいい…。でも痛い。」

「帰った方がいいんじゃねぇの。」

「そうかも…。」

「歩けるか?」

「それは大丈夫。」

「じゃあ帰るぞ。」

「…うん。」

男鹿は立ち上がり椅子を仕舞うと、自分の荷物と古市の荷物を片手で持った。

「古市、行くぞ。」

空いているもう片方の手で古市の腕を掴み、立ち上がらせた。

「うん…。」

古市は抵抗する様子もなく、むしろその腕に縋るようにして、そして二人はそのまま教室を出て行った。





―――――

あれ、なんで神崎視点になったの←
古市ちゃんは女の子の日なんです。が、言わなきゃ分からないですね←
ただの腹痛状態(∵)
リベンジしよう

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