男鹿がここにいないのなら、きっともう笑えない。だってもう俺の隣に男鹿はいなくて、男鹿の隣には違う人がいるから。何度も二人で見た夕日も、数えるほど悲しくなるんだ。永遠なんていらない、なんて言ったけど本当はずっと一緒にいたいと思ってたんだ。それも叶わぬ願いとなってしまったけれど。

二人で行った河原も、一緒に遊んだゲームも、並んで歩いた道も、初めてキスした場所も、全部覚えてるんだ。でもお前はもう忘れてるんだろう。
二人で寝ていたベッドで膝を抱えて、思い出に浸りながら泣くなんて本当に女々しくて困るな。

いつだって傍にいたから、思い出すなんてことしなかったんだ。着信履歴もメールも全て男鹿で埋め尽くされているのに、もう携帯越しに声を聞くこともそわそわしながらメールを待つことも無くなったんだ。

「おが…。」

名前を呼んでも応えてくれる人なんていなくて、虚しくなるだけで。





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ボカロのリフレ●ンループって曲を聞いてたら書きたくなったんですが、ものすごく失敗した。
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