一万打リクエスト
これが僕等の日常
ある日、自動販売機に飲み物を買いに行くと見慣れた銀髪と赤ん坊を背負った黒髪がいた。

「おぉ、三木じゃん。」

先に気づいたのは古市君で、男鹿はどうやら何を買うか悩んでいるようだった。

「三木?」

古市君の言葉に反応して、一端飲み物を選ぶのを止めこちらを見た。

「三木とここで会うなんて珍しいな。」

「そうかな?けっこう自販機には買いに来るけど。」

しかし男鹿はすぐに視線を自販機に戻した。

「ミルクティー買ったけど飲むか?」

「あ、ありがとう。」

すでに買い終えていた古市君がミルクティーを差し出してきたので、お言葉に甘えて一口頂くことにした。すると今まで黙って自販機とにらめっこをしていた男鹿が、古市君を振り返った。

「おい古市。どれにする?」

「俺に聞くな、俺に。」

そう言いながらも彼は仕方なさそうに男鹿に歩み寄り、自販機を覗き込んだ。

「俺ミルクティー買ったから、お前はグレープジュースにしろ。」

「じゃあそれでいいか。」

古市君に聞いた後、さっきまで悩んでいたのが嘘のように勢いよくボタンを押した。出てきたのは先程古市君が言ったグレープジュースで、男鹿はストローをさすと一口飲んで古市君に渡した。

「ん、さんきゅ。」

しかしそれは渡した…と言うよりも、男鹿が古市君に飲ませたという表現の方が正しかった。
男鹿がストローをさした紙パックを古市君の方へ差し出すと、何の躊躇いもなく古市君はそれに吸い付いた。

「あ、三木ミルクティー飲んだか?」

その光景を見て驚いていると古市君に声を掛けられて、さらに驚いた。

「え!あ、あぁ…ミルクティーね。あ、ありがとう。」

「どういたしまして〜。ん、男鹿。」

すると今度は古市君が男鹿にミルクティーを差し出し、男鹿がそれに吸い付いた。

「む、ミルクティー上手いな。古市交換しろ。」

「別にいいけど俺もう半分くらい飲んじまったぞ。」

「なら半分飲むからお前はそれ以上ミルクティー飲むなよ。」

「無茶言うな。じゃあグレープジュースもう一口ちょうだい。」

「ったく、しょうがねぇな。おらよ。」

そういうと男鹿はまた古市君にグレープジュースのストローを差し出した。そして古市君はそれに口をつける。

僕はそれを見て固まっていると何を勘違いしたのか、古市君は

「三木もグレープジュース欲しいのか?」

と聞いてきた。

「いや、別にいらないけど…。」

「そうか〜。じゃ俺らそろそろ行くな!じゃあな!」

そう言って古市君と男鹿は背を向けて歩きだした。まだお互いに飲ませ合いをしているのが見てとれた。



一人残された僕は男友達同士で飲み物の飲ませ合いをするだろうか、と考えたが答えは出そうになかったので、教室に戻ったら友達に聞くことにしてグレープジュースを買った。





(げ、後一分でチャイム鳴る…。)











リクエストしてくださった跡様、ありがとうございました!!
大変お待たせしてしまい申し訳ありません…。
男鹿と古市に惚気られる三木というリクエストでしたが、期待に沿えられている気が全くしません←←
飲ませ合いとかあんまり女同士でもあんまりしないと思うけど、それを普通だと思ってやっちゃう男鹿古にしたらこんなんになっちゃいました←
全然三木に惚気てないですね…。素敵なリクエストありがとうございました!!
ご希望に沿えなければ書き直ししますので、いつでもお申しつけください!
跡様のみお持ち帰り可能です。あとがき追加/20110615
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