二月十四日。
女の子は皆、チョコ渡しに勤しみ、男の子は皆そわそわしながら女の子が話しかけてくれるのを待っている。

そんな日。



もしかしたら見ず知らずの女の子が突然告白してくるかもしれない。いつもは何でもないようでも、実は俺に想いを寄せてる女の子がいるのかもしれない。そんな期待をこめて俺はいつもより髪を綺麗にセットして、眉毛もきちんと整えて、いつもより気合い入れた格好をして学校に行ってみた。


しかし悲しいかな。収穫はゼロ。気合い入れてセットした髪も整えた眉毛も全て無駄と化した。男鹿はちゃっかりクイーンからの本命チョコを貰っていた。けれど男鹿の鈍感と、クイーンのツンデレが発揮されたため、そのチョコは本命と告げられぬまま男鹿の手へと渡った。



学校は終了のチャイムを告げ俺は悲しい気持ちのまま、本命チョコを本命と知らぬまま受けとったアホな幼なじみの横に並びながら帰路へとついた。



結局変わったことは一つもなくいつも通り男鹿んちに行って二人でゲームをして遊んでいた。
するとノックもなしに突然ドアが開いた。

「たかちん！ハッピーバレンタイン！」

美咲さんが突然入ってきた。

「はぁ…。」

「ってわけで、はい！義理チョコ！」

そういって可愛い包みを取り出した。

「わ…！ありがとうございます！」

「俺のは？」

「あんたなんかにあるわけないでしょ。じゃ、たかちんばいばーい。」

美咲さんは嵐のようにやってきて、嵐のように去っていった。けれどこれは、今日俺が初めて家族以外の人からもらった大切なチョコだ。

「よっしゃー！」

「テンションたけぇな…。」

「そりゃあテンション上がるだろ！やべ、超嬉しい！」

やった、やったと喜びまくってると男鹿が言った。

「つーかお前は？」

「は？」

「…だから、お前から俺にはチョコないわけ？」

何を言い出すんだ、こいつは。

「いやいや…あるわけないから。」

「何で？」

「こっちの台詞だし。むしろあると思ってたのか？」

「思ってた。」

馬鹿か。馬鹿なのかこいつは。

「おい、思ってること全部言ってるぞ。」

「まじか。」

やってしまった。まぁいいか。事実だしな。

「で、チョコ。」

そういって男鹿は手を出した。

「クイーンから貰ったのあんじゃん。」「お前のが欲しい。」

なんて恥ずかしいことを簡単に言いやがるんだ、こいつは。

「しつこいな。ねぇよ。俺はこれから美咲さんから貰ったやつ食うから勝手に食べんなよ。」

言ってからさきほど貰った包みを開ける。中身は生チョコだった。チョコの甘さを噛み締めていると

「俺にもくれ。」

と言ってきた。

「だからやらないってば。」

振り向くと男鹿の顔が近くにあった。

そしてそのままキスされた。

驚いて口を開けたままにしていたら舌がはいってきた。そして口の中に入っていたチョコを取られた。

「な…！何してんだよ！」

「何ってチョコ貰った。」

「そこじゃねぇよ！何キスしてんだってことだよ！」

「別にいいだろ。減るもんじゃねぇし。」

「俺の中の何かが減る！」

「うっせーな。黙れ。」

そういって再び口を塞がれた。結局チョコは男鹿と半分こさせられることになった。





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まことに申し訳ありませんorz三
終わり方が意味不ですみません…！チョコを口の中で持ってかれるのを書きたかっただけなんですけど、文才ないって恐ろしいです。書きたいことすら書けないなんて…！