世界一の馬鹿野郎
今日は八月三十一日。学生が悲鳴が聞こえる夏休み最終日であり男鹿の誕生日である。
今年も例年通り、男鹿の家に行って「おめでとう。」って言って終わりだと思っていた。
誕生日プレゼントなんて今まで渡したことがないし、今さら誕生日プレゼントなんて恥ずかしくて渡せる気がしない。かといって、恋人の誕生日にプレゼントもなしって言うのはちょっと気が引けるが、所詮男鹿だから。
と思っていたのだが。
「誕生日プレゼントは?」
「は?」
「だから誕生日プレゼントはねぇのかよ。」
「あるわけねぇじゃん。」
男鹿の家に行って男鹿の部屋に入って第一声が「おめでとう。」それに続いた男鹿の言葉が先程のあれだ。
「プレゼント欲しかった?」
ニヤニヤしながら聞いてみると
「…当たり前だろ。」
少し顔を赤くして真面目に返してきたから。
拍子抜けしたのと、男鹿も意外と可愛いとこあるんだなって思ったから。
「じゃあ、誕生日プレゼントな。」
だからいつもの自分なら絶対にしないようなことをしてしまったんだ。
顔を赤くしたまま、目をさ迷わせている男鹿の頬を両手で包み込む。そしてそのまま顔を近づけ男鹿の唇に俺のそれを合わせる。数秒、唇を合わせ離した。そしてすぐ近くにある男鹿の目を見たら、口をついて出た。
「誕生日おめでと…。」
「おぅ…。」
お互いに俯いて言葉を交わす。
きっと俺の顔は、男鹿に負けないくらい赤いに違いない。
いつもより少しだけ甘えたな男鹿に、誕生日というのが重なって、たまには俺からしてみてもいいかなって思ってつい行動してしまったが、数秒前の俺を殴って目を覚ましてやりたい。こんなことするなって。だってほら、
「古市、」
「なに…。」
「もう一回。」
こいつはすぐに調子に乗る。
「無理。」
「俺、誕生日。」
「卑怯だぞ!」
「なんとでも言え。いいからもう一回。」
「よくない!何にもよくない!」
「古市。」
「っ!…あと一回だけな。」
そんな男鹿に流されてしまう俺は、
ーーーーー
男鹿、誕生日おめでとう!
ぎりぎり間に合った!!
上手くまとまらず、こんなんになってしまいました(∵)←
祝う気持ちはありますよ!!
何はともあれ、イクメンで愛妻家な男鹿おめでとう!古市と末永くお幸せに!!