短編 | ナノ

上か、下か、真ん中か

ずっと片思いしていた幼なじみ、男鹿辰巳と晴れて恋人と言う関係になれたのは、ここ最近の話だ。

俺も男で、男鹿も男。それなのに恋人なんておかしいかもしれないけど、気付いた時には男鹿のことを好きになっていたんだからしょうがない。
もちろん、女の子は大好きだ。可愛いし、フワフワしてるし、甘い匂いはするし、なんと言っても柔らかい。男みたいにゴツゴツしていない。
しかし惚れた弱みと言うのだろうか、男鹿を見てると動悸が激しくなるし、女の子といたらものすごくイライラする。その感情が恋だと気付くには時間がかかった、というよりも認めたくなかった、の方が正しいだろう。認めたくないなんて足掻いたところで、自分の感情などコントロール出来るわけもなく今に至るわけなのだが。

前フリが長くなってしまったが、本題に入ろう。
そもそも、俺は男鹿に告白などするつもりはなかった。辛くても男鹿の幸せを願ってやろうと思った。ところが、びっくり。あの傍若無人で人を人とも思わない、別名アバレオーガが俺に告白してきたのだ。
あの男鹿が、だぞ?
どう見ても恋愛には興味なし、下手したら自慰も知らないんじゃないだろうか、と思われるほどのあの男鹿が。すごく驚いたが、男鹿の真剣な目を見て本気なんだ、と思った。もちろん俺はOKしました。
ここまではいいとしよう。



「何で俺は押し倒されてるんだ?」

そうです、俺は今男鹿に押し倒されてます。押し倒されなうです。

「何でって、そりゃあナ「皆まで言うなあああ!」

仮にも全年齢サイトと言っているところで、その発言はいけないと思うんだ男鹿君。

「じゃあ何に不満があるんだよ?」

「なんで俺が下なんだよ!」

「お前の発言も充分ダメだと思うぞ…。」

男鹿が呆れた様に言った。

「うるせぇ!俺はいいんだよ!」

「意味分かんねぇよ、その理屈!つーか、何で下が嫌なんだよ?」

「当たり前だろ!」

「じゃあお前は俺に突っ込めんのか?」

「うっ…。」

それを言われると何も言えない。男鹿に突っ込むなんて、出来るわけない。しかし、だからと言って俺が下になるのも無理だ。

「別にわざわざする必要ねぇんじゃねぇの?」

と、俺が言ったら男鹿がものすごい勢いで顔を上げて、俺に言い放った。

「俺の性欲はどうすんだ?!」

「…我慢しろ。」

「無理に決まってんだろ!あー、もう何でもいいからヤらせろ。」

「はあああああ?!何言ってんだ、ってちょ、何服に手突っ込んでんだよ!やめ、あ、うわああああああああ!!!」



その後、すっきりした表情の男鹿とぐったりした古市が、仲良くベッドで寝ていたそうな。







(またやろうな!)
(絶対やだ…。)





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ちょっと息抜きに書いてたら、ものすごいことになりました。最初はほのぼのか、シリアスにしようとしたのですが、気づいたら脱線してこんなことになりました(∵)
ダスト行きかなと思いましたが、勢いで書ききってしまったので載せました←
タイトルは小さいときやってた遊びから。思いつかなすぎたので(∵)

2012517 一部改変

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