短編 | ナノ

同情ならやめて

「男鹿ぁ。」

「あー?」

「好きだよ。」

俺は持っていた携帯を落としそうになった。




いつものように、二人で屋上で昼飯を食べ終わり、だらだらしていた時に突然言われた。
いつもなら俺は寝て、古市は携帯をいじったり一緒に寝たりしていた。しかし今日は何となく起きていたかったので、起きて携帯を弄っていた。
そして突然古市が言ったのだ。

「お前…何言ってんの?」

「何って、告白?」

「いや、え、お前俺のこと好きだったの?」

「うん。」

驚きの事実だ。小学校から一緒だったが、古市がそんな風に俺のことを見ていたなんて初耳だ。
俺がぐるぐる悩んでいると、古市が口を開いた。

「男鹿と付き合えたらそりゃ嬉しいけど、それが無理なことは分かってるから。だから気持ちだけ言えれば良かった。」

何でこいつは勝手に話を進めるのだろうか。焦ると人の話を聞かなくなるのが、たまにきずだ。

「俺は古市のこと嫌いだなんて言ってねぇけど。」

「…男鹿は優しいからなぁ。同情なら、俺が惨めになるだけだから止めて。」

古市は体育座りをして、顔を埋めた。膝に回している古市の細い腕を掴んで引き寄せる。そうしたら古市の体はおとなしく俺の腕の中に収まった。

「…同情なら止めろっつったろ?」

そう言って古市は離れようと、俺の胸板を押してくる。俺は古市が逃げないように、さらに強く古市を抱きしめる。

「同情じゃねぇよ。ちょっとは俺の話も聞け。」

腕の中の古市がおとなしくなった。
そのチャンスを逃さないように、俺の気持ちを伝えた。

「俺もお前が好きだ。」

「…本当に?」

「あぁ。」

「同情じゃない?」

「あぁ。」

「友達って意味じゃないよ?」

「当たり前。」

質問攻めしてくる古市に律儀に返してやる。そうしたら古市の腕が俺の背中に回って、さっきよりも密着する形となった。

「離れたら許さないから。」

「離れたいって言ったって離してやんねーよ。」





ーーーーー

なんだこれ(^p^)←
告白話多いなぁ。今回は珍しく男鹿目線。頑張りました。
古市に突然告白されて、パニクる男鹿が書きたかったのに…どうしても男鹿は古市とくっつかなきゃ気が済まないらしいです←

[ back to top ]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -