短編 | ナノ

初めてのともだち

※中学捏造










「おい、化け物が来たぞ!」



毎朝教室に入る度に言われる。
何が楽しいのか分からないが、俺を見るとケラケラ笑う。どっちだよ、化け物なら笑えないだろ。これだから馬鹿は日本語を理解してなくて困る。そんな馬鹿な奴らは無視して席に着いた。
今日の授業は何だったかな。一時間から数学があったような気がするが、まあこんな低レベルな問題は授業など聞いていなくても分かる。予習などする必要がないので、家に教科書は持ち帰らない。宿題は授業中にやろう。
そう思いながら、五月蝿いクラスメイトからの罵倒をBGMに寝ようと思い、机に伏せると教室の扉が開いた。

「よぅ、男鹿。」

「よぅ。」

男子達の挨拶の飛び交う声が聞こえる。特に気にもせず寝続けていると、隣の席に人が座る気配がした。気になって少し顔を上げて盗み見てみると、今まで見たことのない奴がいた。

するとそいつと目が合った。

「…お前。」

驚きが隠せていない。どうせ髪のことを言うのだろう。そんな言葉は聞き飽きた。
そう思い、話し掛けてこようとしたそいつを無視し机に伏せようとしたら、思い切り髪を引っ張られた。

「いたっ!」

「綺麗な髪だな。」


「…は?」

すると、さっきまで俺に化け物だとか言ってた奴が、それを聞いてやってきた。

「おい男鹿、何言ってんだよ。こんな髪気持ち悪いだろ!」

「お前こそ何言ってんだよ、こんなに綺麗だろ。」

すると、そいつは顔を真っ赤にして男鹿という男に飛び掛かろうとした。しかし男鹿の方が速くそいつを殴った。
そいつは壁まで飛んだ。

「おい、貴也!大丈夫かよ!?」

男鹿に殴られた奴といつも一緒にいる奴が、すぐさま駆け寄った。どうやら貴也と言うらしいそいつは、立ち上がろうとしたが、どうにも男鹿の力が強すぎたようで上手く立てていなかった。
すると担任が教室に入ってきた。
クラスの女子が先生を呼んできたらしい。

「男鹿君!篠原君!一体どうしたの?!」





その後先生から、男鹿という奴は三日、貴也という奴は一日の謹慎になったということを聞いた。
それともう一つ、先生に聞いたことがある。








ピンポーン
謹慎三日目の夕方。
俺は一人でゲームをしながら過ごしていた。突然手に入れた休日は、全てゲームに費やした。おかげで、レベルが上がった。しかしそんな有意義な生活が、何日も続くわけがない。明日は学校に行かなくてはいけないなんて、テンションが下がる。そう考えていた時に、家のチャイムが鳴った。お袋か姉貴が出てくれるだろうと考え、ゲームを続けていると再びチャイムが鳴った。お袋も姉貴もどうしたのだろうと思ったら、そういえば買い物に出掛けるから留守番を頼まれた気がしなくもない。ゲームに集中していたから、全く話を聞いていなかった。
仕方ないのでゲームをストップさせて、玄関へと向かう。






男鹿の家に来てから、十分ほど玄関の前をうろうろしていたが、意を決してチャイムを押した。

ピンポーン

果たして誰が出てくるだろうか。ドキドキしながら数分待ったが、一向に人が出てくる気配がしない。もう一度押して誰も出てこなかったら帰ろうと思い、再びチャイムを押した。

数分経ったが誰も出てこなかったので、諦めて帰ろうとしたが突然扉が開いた。

「お前、この間の…。」

出てきたのは男鹿だった。

「あ!えっと、その…こ、この間はありがとな!」

きっと最初は男鹿のお母さんが出てきて、そのあと男鹿と話すと思ったら、初っ端から男鹿が出て来て焦った。テンパって上手く言葉が出なかった。頭はいいと思っていたのだが、とんだ失態だ。
二人の間に沈黙が流れた。

「…それが言いたかっただけだから、じゃ。」

そういって帰ろうと思った。

「待てよ!」

しかし男鹿が俺を引き止めた。

「今度一緒に遊ぼうぜ。」

男鹿が顔を背けながら言った。俺は驚いた。なぜなら俺は今まで友人と呼べるような人はおらず、いつも一人でいた。だから、人と遊ぶなんてことはしたことがなかった。だから、こんな時になんて答えたらいいのか分からなかった。俺が固まっていると再び男鹿が言った。

「や、約束だからな!またな!」

そして勢いよく扉を閉めた。

「あ、おい!」

目の前で閉められた扉を見て古市は呆然とした。

「何だ、あいつ…。」

しかし、その口元には笑みが浮かんでいた。





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いつか絶対書きたかった古市の髪ネタ+過去捏造話
オチはログアウトしました←
何だか意味不になりましたが、荒んでる古市好きです^^←
古市を救ったのが男鹿ならいいですね!

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