壊れた心は戻らない
その言葉に俺の中の何かが切れた。
「じゃあ、邦枝先輩は俺にない美貌とか人望とか俺がどうやっても手に入れられない女という性別を持っているのに、それなのにさらに俺から男鹿を取ろうって言うんですか?!」
「違うわ古市君。」
邦枝先輩は必死に弁解しようとしたが、そんなものは頭の中に一切入ってこなかった。
「何が違うんですか、結局貴女だってただの一人の女なんでしょう?男と女というどうしたって越えられない壁があるのにそれを貴女はフェアだと言うんですか?!幼なじみとして一緒にいた時間や会った時が早かったなんてハンデじゃありません、むしろ幼なじみという立場が邪魔してるんです、邦枝先輩はいいじゃないですかどうせ男鹿に振られたってまた新しく違う男好きになれるでしょう?」
こうなってしまったら、もうどうしたって止められない。
口から出てくる言葉は支離滅裂で、何言ってんだと頭の中では思っているが止めることは出来ない。
「そもそも恋しちゃったからレッドテイル抜けるなんて元総長が聞いて呆れますね、確かに勘違いするような言い方するあいつもあいつですけどそんな簡単なことで恋しちゃう貴女も貴女ですよね。」「なっ!」
俺の言った一言に邦枝先輩は顔を真っ赤にして震えている。涙まで浮かべてしまった。まあ、そうなるような言葉を言ったのだから当たり前ちゃ当たり前なのだが。
周りで聞いていた寧々さんや由加さんが、一瞬身構えたのが見えた。
「俺が何したって言「古市!」
突然男鹿が教室に入ってきた。そして言い合っていた俺達のところまで来ると、俺の頬を叩いた。叩いたと言ったって、男鹿のレベルは半端じゃない。首が吹っ飛んだんじゃないかと一瞬思った。
「…邦枝。」
「な、何よ!」
思いもよらず好きな人から声をかけられた邦枝先輩は大袈裟に肩を跳ねらせた。
「ちょっと出ていてくれねぇか。」
「っ、男鹿!てめぇ」
「寧々、やめなさい。分かったわ。」
飛び掛かろうとした寧々さんを制して、邦枝先輩は教室を出ていった。教室には男鹿と俺の二人が残された。
男鹿がこれみよがしに溜め息をついた。
止めてくれ。
今俺が立っていられるのはお前がいるからだよ。
お前に突き放されたら俺はどうしたらいい。
「ちょっと頭冷やせよ。」
そう言って何も入っていない薄っぺらい鞄を持って、男鹿は教室を出ていった。
俺の中で何かが音を立てて崩れ去っていった
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最近病み気味古市好きらしい←
古市はこのままぶっ壊れていきます。←
男鹿視点の書きたかったんだけど、ひたすら言いまくる古市書きたくなって出来上がったのがこれ。その言葉が自分でも思いつかなくて、あやふやな始まり方にあやふやな終わり方。もしかしたら後で消すか直すかするかも、ってか続きそう←
いや、今のlong書き終わるまでは続編系は書かないことにしたんだ!←
精進しよう