短編 | ナノ

涙と一緒に流れていって

「男鹿、別れよっか。」

いつもみたいに放課後男鹿んちに行って、お互いに好きなことをしていた時。俺は言った。

「何でだよ。」

「んー、何となく?」

何となく。何となくなのだ。
特に今日言おうとか決めていたわけではない。ただ、今言わなくちゃと思ったら口が勝手に動いていた。

「納得出来ん。」

言葉通り、男鹿の顔は困惑したように、泣き出す子供のように歪んでいる。

「だって俺、男鹿のこと好きじゃなくなっちゃったんだよ。だから別れてよ。」

そんなことは一つも思ってない。
ただ―

「俺は別れるなんて認めねぇ。」

「しつこい奴は嫌われるぞ。」

そういって何でもないように、普段と変わらないように笑ってみせる。

「じゃぁな。」

立ち上がって、部屋を出る。去り際に俺を呼び止めようとする声が聞こえたがもうそんなものじゃ止められないのだ。



男鹿の家を出てから家に着くまでひたすら走り続けた。ドアを開けて、ただいまも言わないまま自室へ駆け込んでベッドへと飛び込む。

「ぅ…!」

本当は別れたくなかった。だって大好きだから。本当に好きだから。

けど考えてしまったのだ。将来のことを。



今はまだいいかもしれない。
俺は男鹿が好きで、男鹿は俺が好きで。そんな関係のままいられるのかもしれない。

けど、社会に出たら?
俺は男鹿が好きで、男鹿は俺が好きで。それだけでやっていけるのだろうか。お互いずっと好きなままでいられるのだろうか。

別れて違う道を歩いた方が全て上手くいくんじゃないか。

そんな考えが浮かんだ日から言おうと思っていた。今まで何となく言い出せなかったけれど、今言わなかったらいつまでも言えないんじゃないかと思ったら、自然と口が動いていた。



男鹿はきっと俺がいなくても生きていけるだろう。俺はこれからの人生に男鹿がいなくても、それは俺が決めたことだから。それに俺だけが辛い思いをするだけなら大丈夫。男鹿が幸せになってくれればいい。







だから、ばいばい。





ーーーーー

うわぁぁぁぁ!!!!!いつにも増して駄作…!いえ、あの、男鹿とのことで悩んで悩んでぐるぐるしちゃう古市とかいいと思います。←
しかし男鹿古のわりに、男鹿出てこないな…←
もはや古市独白…?

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