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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

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複写室に入った途端、カカシくんにじーっと見つめられて鼓動が早くなる。そのまま動けなくなってカカシくんの顔を見つめていたら―――

「先輩………なんか今日、胸でかくなってない?」
「な、ななな!」

あまりの事に顔を真っ赤にして絶句してしまった。カカシくんってば、あたしの顔じゃなくて胸を見てたなんて…!あたしのトキメキをかえせーーー!

「カ、カカシくんの馬鹿!変態!」
「先輩、心配しなくても大丈夫。オレ、大きさより形重視だから。」
「ちょ、そういう問題じゃないの!」

涼しい顔で繰り出されるカカシくんのセクハラ発言にあたしは思わず両手で胸元を隠した。隠したところで意味はないのだけれど。

何事も無かったかのようにパソコンに向き直ったカカシくんを横目にコピー機のパネルを操作した。確かに今日下ろしたての新しい下着をつけているけど。それもパッド厚めの盛れるやつ。

普段、そんなにあたしって胸ない?と反射的に自分の胸を見下ろした。なんか、悲しくなってきた。

「だから先輩、心配しなくてもいいって言ったでしょ?」
「カカシくんこそ、なんの話してるのっ!?」

いつの間にか背後に立っていたカカシくんに驚いて声がひっくり返ってしまった。だめだめ!カカシくんのペースに乗せられちゃ!あたしの方が先輩なんだから!
カカシくんはあたしの様子を愉しげに見て、喉を鳴らして笑っている。

「ま、先輩が大きくして欲しいっていうならいつでも言いなよ。」
「ちょっ、な、なにやって……っ!?」

カカシくんが口の端を妖しく吊り上げたかと思うと、パチンと音がして服の上から片手でブラのホックを外されてしまった。
ていうか、どうしてこんな技を修得しちゃってるわけ!?

「カカシくんのばかーーーー!」

あたしは泣きそうになりながら複写室を飛び出した。
欲求不満なカカシくんには、今度、雑貨屋さんでよく売られているシリコン製の揉み心地抜群ボールを差し入れてあげようと思った。