この想いに別れを告げた



※会話ありません(一言しか)



静かにそっと手を翳す。

その先には俺の大好きな二人。

でもその“好き”は違った。


確かに先輩の事は尊敬するし好きだ。
俺の目標となっている人でもある。

いつかはこうなりたい、そう思って追いかけていく内に、いつの間にか貴方を目で追うようになった。


真剣な目をして、左手にもつ木炭で絵を描いてる横顔を見るだけでも幸せだった。

そう、幸せ、だった。

これ以上は望むつもりなんてなかった。でも欲望はいつの間にか肥大していって、いつしか尊敬していた先輩を嫉妬の目で見るようになった。

俺だって貴方のように話したい。
俺だって貴方のようにあの人と───…

でも、あの人にとって一番大切だったのは俺なんかじゃない。先輩なんだと、気付いて。





あの人達はあの日、許されない罪を犯した。

伝統


それに縛られた者の末路。
限られた場に閉じ込められた者は、当たり前の考えも麻痺するものなのかという事を深く知った。
俺も、シエルがいなければきっとその事に気がつかなかっただろう。
先輩方が正義。間違っていない。
きっとそれは、先輩方を悪≠セと認めたくないからだとも思う。


あの人は、先輩を庇ったんだ。

それを理解した瞬間、共に俺は絶対に先輩に勝つ事は無いのだろうということも理解した。

そっと翳した手を下ろし、去り行く先輩方の背中を見つめる。

この先この人達はどうするのだろうか。

俺が尊敬し讃えてきた4人は、揃って目を伏せたままだった。

でも、その目にはどこか安堵も含まれていたような気もした。

先輩達がこの学園を去っていく。

フードを被ったその背中を見つめて俺は、ひとつずつ 言葉を紡いだ。


「  さようなら、  」


ずっと、好きでした。



   



--*--*--*--*--*--
唐突に書きたくなった悲恋。
エド片思い(´・ω・`)

思いのまま書きなぐりました((

いつか消すかも…´Д`

140523

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