〜カミュ〜─────---- - - - -
恋人設定\(^o^)/
繊細な砂糖菓子を作る職人さんな明るい性格の彼女w
明日は休日だ。彩綾の家に泊まり、存分に砂糖菓子を楽しむのも悪くない。
彩綾も、明日は店が休みだ(予定は確認済みだ)。連絡も入れてある。
……いつも迎えに越させるから、たまにはこちらから出向いてやるか。
「ん?」
彩綾の自宅兼仕事場に行くと、寿の姿が見えた。何故、寿がここにいる?
「すっ…いね彩綾ちゃ…! き……よ! これで、………ちゃんも…………だよ!」
ここからではよく会話が聞きとれない。何を話している?
『あ……とう。………が満足……くれ……良いな。……、好きだから』
………好き?
寿のことが、という意味か?
いや、まさか、彩綾に限ってそれはあるまい。彩綾は俺の下僕だ。
近づくにつれ、声がはっきりと聞こえるようになる。
「もー、そんなこと言っちゃってぇっ」
『嶺ちゃんもでしょー! ……きゃあ!?』
「あぶなぁ!?」
……ええい、我慢ならんっ!
「貴様ら、何を……!」
『あ、カミュ』
「おかえり、ミューちゃん☆」
……抱きついている。
Q、誰が?
A、寿が。
Q、誰に?
A、彩綾に。
「………………」
無言で彩綾から寿を引き剥がす。
『カミュ?』
「ミ、ミューちゃん……? 顔が鬼神みたいだよ…?」
だらだらと冷や汗を流す寿に、絶対零度の風を叩きつける。
「黙れ愚民。この場から立ち去れ!!」
「は、はいぃぃっ! 彩綾ちゃん、またねっ、気をつけて!」
シュバッと走り帰る寿を確認し、彩綾へ向き直る。
『あ、そうだ! カミュに……んぅ!?』
彩綾に、噛みつくようなキスをする。息も出来ないような、喰らい尽くすようなキスを。何かを言おうとしたようだが、構うものか。
『んー! んんっ!』
腕を押さえつけるように抱き締めているからか、じたばたと暴れることもままなっていない。腕でぐいぐいと身体を押されたので、解放してやる。
『ぷはっ……はぁはぁ……いきなり何するのさ!』
「俺が来ることを知りながら堂々と浮気とは……いい度胸だな」
『はい?』
「しかも相手が寿だと?」
『ちょ、カミュ。落ち着いて。誤解だから!』
誤解? 白々しい。
「誤解……? アレでか」
『そう! 誤解! 嶺ちゃんはたまたま通りかかっただけで浮気とかじゃないから! 抱きついてたのは助けてくれたの!』
「助けただと?」
『そう! コレ!』
見せられたのは、雪の結晶を象った美しい砂糖菓子だった。
『さっき転びかけて……嶺ちゃんが支えてくれなかったらこの砂糖菓子壊れちゃってたんだよ? ──カミュのための砂糖菓子』
「俺のため?」
『カミュ、この間シルクパレスから帰ってきたとき、雪の砂糖菓子はないのかって言ってたでしょ? その時は無かったから、作ったんだよ。カミュみたいに、強くて優しい……でもどこか儚い雪の砂糖菓子。だから、嶺ちゃんは悪くない。むしろ恩人なの』
「……………ふん」
『機嫌直してよ。この砂糖菓子と、あまーい紅茶、どっちがいい?』
「どちらも差し出すなら、許してやらんでもない」
『ふふっ……ありがたき幸せ、なーんてね。今準備するから、お店で待っててくれる?』
「早くしろ」
まったく……
『カミュ』
「なんだ」
『すき』
「………」
『あー照れたー』
「照れてなどいない!」
『じゃあデレた』
「違う!」
結局、顔を背けたが……
──まぁ、そのあと出てきた紅茶と砂糖菓子が美味かったから、許してやろう。
NXSTあとがき
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