くじ引き


きっかけは、レイモンドの一言からだった。
 
「なあ、ゲームをしないか?」
白鳥宮で軽い話をしていたら、
そうレイモンドが口元をにやり、と
緩めて僕らに訪ねた。
「「「ゲーム??」」」
「ああ、このクジを引いて、書いてあるのをやる。」
沢山ある棒の入った箱を指さした。
...何か嫌な予感。
「...僕はやらない。」
「強制。」
「げ...」
...早く済ませよう。
「いちにのさんでやるからな、いくぞ?」
「せーのっ」
「「「いちにの、さんっ!」」」
皆で一斉にくじを引いた。
「...言うのもやるんだ」
「...まあバイオレットがやるとは思わなかったから想定内だな」
「ああ」
3人の中の僕ってなんなんだろう…
とりあえず、内容を見た。
“女装”
「......」
無言でバキッ、と棒をへし折った。
「折った!?」
「あ、手作りの棒が…」
「...何て書いてあったんだ?」
グリーンヒルが内容を見ようとするから。
ばっ、と取り返した。
「....レドモンドの変態」
ぱしんっ、とレドモンド(の顔を)を叩く
「痛いな...ああ、俺のは“誰か一人にキス”だ」
「なっ…!?たたたたるんどるっ!!」
「...僕のは“無し”だ。」
「...ブルーアー運良いね、グリーンヒルは?」
「...最後に“にゃ「うん分かった絶対やるなよ?」ああ...」
「....じゃ、バイオレット」
「何?」
ちゅっ、て音が...
「.........えっ、えっ」
今、もしかして...
「「なっ!?」」
額の上に、キス...
「額の上のキスは友情の証だ。」
そう言って笑うレイモンド。
「.........ブルーアーにしてよ」
「僕に振るな!」
今じょわわわわっ...てなった、
じょわわってなった...!!
「そんなに嫌だったのかい?」
「男同士でキスはありえない。」
「...じゃ、ハイオレットもちゃんとやらないとね」
「.....う」
いつの間にか取られていた折れた棒。
「“女装”、楽しみにしてるぞ?」
にまり、と言う顔でレイモンドが楽しそうに言った。
「.....」



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