〜黒子&赤司の場合〜
「おじゃまします」
ペコリとお辞儀をし、靴をちゃんと揃えてから玄関に上がる。
「赤司君は礼儀正しいですね」
よしよし、と自分の腰ほどの高さにある赤い頭を撫でる。
(あ、赤司君の身長が僕より小さい)
黒子はなぜかジーンとした。
赤司の顔が赤くなる。
「お兄さん、いつまでなでてるのっ」
「すみません。どうぞ、こっちです」
心の中でガッツポーズをしながら、赤司を自分の部屋に案内する。
「……………」
「赤司君、どうしました?」
「な、なんでもな」
きゅるるるる〜。
「……お腹空いてたんですね」
お腹をおさえて赤面する赤司。
(か、可愛いっ)
「うぅ……」
年に見合わない渋面を作る。
「ご飯作ってきますから、待っていてください。何がいいですか?」
そう聞くと、しばらくの沈黙の後、ぼそりと呟いた。
「……オムライスがいい」
「わかりました」