「次の道は……」

お次は山を通って、湖を目指すようです。

「…………………」

 しばらく歩いていると、耳の良い黄瀬はふと気付きました。
──足音が増えていることに。

「……赤司っち…? ああ、あ足音…増えてないッスか?」

 まぁ可哀想に、血の気が引いて真っ青です。

「増えてるね」

 さらりと流してしまう征十郎。流石です。

「誰の足音ッスか!!?」

 恐れ戦きながら黄瀬が叫びます。ほら、あんまり叫ぶと征十郎が腰の巾着からハサミを出しますよ!
 そのとき。

「………僕です」

 黄瀬の背後霊のようにたたずむ長い尻尾の生えた青年が──

「うぎゃぁぁああ!?!?」

うるさいですね、まだナレーション途中なんですけど。

「いやいやいやそんなことより誰なんスかこの人ォォォォォォオ!!!」

「うるさいよ」

 叫びまくる黄瀬の首筋にハサミを突きつける征十郎。

「…………………」

ピタリと声を出さなくなった黄瀬がまた青ざめています。
背筋が凍ったようですね。

「で、君は誰? 何故一緒に来ているのかな」

「黒子テツヤです。バニラシェイクの香りに釣られてきました」

「あぁ、これかい?」

征十郎の腰巾着から、マジバのバニラシェイクがでてきました。
 こぼれるんじゃね? とかそんなことつっこまないで下さい。

「……これを君にあげるから、一緒に鬼退治に行かないか?」

「わかりました」

はやっ! Σ(°Д°)
めちゃくちゃ即答でした。

「それじゃあ行こうか」

次に征十郎の餌食になるのは、誰なのでしょうか……。

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