「………はっ!」
気が付いたら、自宅に戻り、エプロン姿で包丁を握っていた。
……紫原が頬にキスをしたところからの記憶がない。
周りを見渡すと、買い物袋とチョコレートをかじっている紫原がいた。
「みどちん、どーしたの? あと、チョコ、かってくれてありがとー」
「あぁ…とりあえず、買い物袋を取るのだよ」
紫原が袋をくれる。
袋の中には、豚肉の細切れ、ピーマン、モヤシ、人参、ケーキ用スポンジ、イチゴ、まいう棒十本が入っていた。
…まいう棒十本については、もう何も言うまい。意識がぶっ飛んでいたのだから自業自得だ。
今日のおは朝は十一位だったから、運が悪いのは仕方がないこと。
「この材料だと……野菜炒めか」
材料を確認した緑間は、早速調理に取りかかる。