「青峰っち〜、ご飯っスよー?」
「ふぇ?」
ぐーすか眠っている青峰を、背中に手を回し軽く叩く。
「ん〜? にーちゃん、なぁに?」
舌っ足らずな青峰に、黄瀬は少しだけ可愛いと思ってしまった。
(なんスかこの可愛い生き物っ! いや、落ち着くっスよ俺。これは青峰っちっス!)
「ご飯っスよ。カレー、好きっスか?」
「だいすき!」
「じゃあ、手を洗ってくるっス。俺は、カレーをよそうから。あっちの廊下を曲がったら、洗面台があるから、そこで洗うっス」
「わかった!」
とてててて、と走る青峰に、子供は無邪気っスねー、なんて思いながらカレーをよそう。
テーブルに並べ、スプーン(青峰のは小さい)を置いていると、青峰が帰ってきた。
「兄ちゃん、おれ、てがとどかない」
「マジっスか!? ……しょうがないっスね。ほら、もう一度行くっスよ」
そうして、無事に手を洗い、ご飯を食べた(カレーは青峰に好評だった)。