仲間(という名の下僕)を手に入れた征十郎一行は、ようやく鬼ヶ島に向かうようですね。
 鬼ヶ島に向かう途中の村で一夜を明かした一行は、どうやって鬼ヶ島に行くか話しているようです。


「どーやって行くんスか? さすがに歩いてだと2ヶ月くらいかかるッスよ?」

 あーはいはい出ましたアホの子。
 あの征十郎が歩いていくわけないじゃないですか。

「この村に、ヘリを貸してくれる人がいるよ」

「本当ですか。でも、どうして?」

 いまだにバニラシェイクを飲み続けている黒子が言っています。

「そうなのだよ。まさか無断で借りると言うのではあるまいな」

 窃盗疑惑を持ち出さないで下さい!
 まさかそんな事をするわけな──

「昨日の夜中、不倫相手と逢い引きしているところを写真を『偶然』撮ってしまってね。これは奥さんにも見せて差し上げないと、って言ったら、『どうしても』僕たちにヘリを貸したいって、土下座で頼み込んできたから、仕方なく借りてあげるんだよ」

「「「………………」」」

 盗むより質悪いよ!?
窃盗罪ではなく脅迫ときましたかこの魔王様は。
私は鬼よりこの人を倒した方がいいと思うのですが。

「……鬼よりこの人の方が怖いッス……」

「同感なのだよ」

 青ざめた二人がこそこそと言葉を交わします。

「何か言ったかな?」

「「いえ、なにも」」

しかし征十郎の微笑み(笑っているのにそうは見えない)には勝てるわけもなく撃沈。

「さて、早く行こうか。僕は湯豆腐が食べたい」

 ……どんだけ湯豆腐好きなんだよ魔王様。

「何か言ったかな?」

 いえ何も。
 と言うことで鬼ヶ島へGO!

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