Novel
ノンシュガーの甘み
『いい加減にしなさい!!』
「黙れ、愚民! 貴様にはこの砂糖の素晴らしさがわからんのかっ」
『黙るのはそっちでしょ! ガキンチョ伯爵!!』
「な……! ふざけるなっ、誰がガキだ!」
『砂糖ばっかり食べてるからガキンチョなのよっ』
「ふん、この高尚な甘みの良さがわからないお前の方がよっぽどガキだろう」
『残念だったわね……私は砂糖の甘さを卒業したのよ。別の甘みを知ったの』
「別の甘み?」
『そう──ノンシュガーの甘み!!』
「砂糖の甘さに勝てるとは思えんな」
『素材の甘さを味わわないからカミュは人と味覚が241°くらいズレてるのよっ』
「なんだと?」
『あっかんべーっ。やーいやーい、バカ舌伯爵ー!』
「貴様ぁ…許さん!」
『逃げるが勝ち!』
「あの二人もよく毎日やってて飽きねぇな……」
「二人なりのコミュニケーションみたいだね。意味はよくわかんないけど」
「まぁまぁ、見守ろうよ」
題:確かに恋だった様より