抱き締める



木吉木吉、とかわいらしく俺のもとへ近寄る花宮。

その頭を一度撫でてどうしたんだと問うた。

「木吉、」
「ん?」
「呼んでみただけ」

えへ、と微笑む姿を誰が想像出来るのか。
というかいつもの人を見下すような表情では無い花宮を想像する事自体難しいのだろう。
そう考えている内にじっと見つめ過ぎていたのか、花宮がきょとんとしなから「?どうした?」と言う。

「いや、花宮は相変わらず可愛いなと思ってな」
「なっ、……バァカ…」


ふいと顔を逸らす。その耳は真っ赤になっていて、

「っ本当に可愛いな!」
「!!」

抱き締めると花宮は離せ、と言う。だが抵抗は殆どしていない為、嫌がってはいないという事で抱き締め続けると抵抗が止む。

「…木吉」
「どうした?」
「もっと、抱き締めろ」

そう小さく呟いた花宮の言葉に答えるように更に力強く抱き締めた。



 抱き締める
(ぐるしっ……馬鹿木吉っ苦しいっつってんだろバァカ!)
(ん?あぁすまない)
(……次は加減して抱き締めろ)
(はいはい)



--*--*--*--*--*--
誰これ花宮ちゃう。

20131227

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