Novel
日常……?


「アーホみーねくん、おはよー……」

私の朝は、『残念ながら』登校道が被っている青髪のアホに──

「さんっ!!!!」

──十メートル手前から助走をつけて走り、背中に飛び蹴りを食らわせるところから始まる。

「うぐぁっ!?」

 よし、標的K.O.
隣にいた桃色の髪の女の子に、満面の笑みで挨拶する。

「おはよ、さっちゃん!」

「うん、おはよう、彩綾ちゃん」

 さて、可愛い天使のさつきと一緒に学校に行

「待ちやがれテメェ……」

 こう、と思ったのに。
先程、蹴り飛ばしたアホ峰、もとい青峰が再起不能から立ち直ったようだ。
 昨日より三秒早いな。軽くやりすぎたか。
 明日は体を痛めない程度に背骨を狙い撃ちしよう。

「んだよアホ峰」

「アホ峰言うな! 人のこと蹴り飛ばしといて謝りもしねぇのか!?」

「毎朝の日課なのに、お前なんかにいちいち謝ってたら私の品位が下がる」

「日課にすんなこの野郎。品位が下がるとかこれ以上下がる品位すら持ってないやつが言うな」

「野郎じゃないしー。花も恥じらう乙女だしー」

「後半部分軽く無視しただろ。あとテメェのどこが乙女だ言ってみやがれ!」

「黙秘権を施行する」

「あぁん!?」

「まぁまぁ落ち着いて。学校遅刻するよ」

「さつき、お前も何とか言えこの非常識に!!」

「え? えーと……彩綾ちゃん、今日も良い蹴りだったよ!」

「そうじゃねぇよ!」

「ありがとー!」

「……とにかく、俺はコイツと話があるんだ! 今日こそ返り討ちにしてやる」

「ほほう。私には話すことなんて1ミクロもないね。じゃ、学校遅刻するからバイバイ」

 その場から、さつきを抱き抱えて猛ダッシュする。

「おいペチャぱい逃げる気か!!!」

遠くから聞こえる罵倒は聞こえないフリ。……でもやっぱりぶっとばす、青峰大輝……!



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