目をこすってもう一度鏡を見る。
変わらない。
頬抓ってみる。
…痛いだけだった。

「う、そ」

鏡に写るボクは、何時も通りだった…顔は。

膨らんでいる胸、普通のようには骨張っていない腰、そして下半身の違和感。

え…とひたすら言葉を洩らす。
有り得ない、訳分かんない。


自分で言うのは何だが、ボクは中性的な見た目だ。小さい頃から近所の方々に「グレゴリー君は可愛いわね、女の子みたい」と一日に5回は必ず言われていたらそりゃ自覚する。
ウェストン校で(何故か)告白された事もあるし、…現に今グリーンヒルと付き合っているし。

それでもボクは“男”だった。
自分の体なんて何回も見ているし、…グリーンヒルだってボクが男という事は分かっているだろう。


「何、えっ…何で?」

問い掛けた所で返事なんて返って来ないのはわかるが、やはり問い掛けずにはいられない。それ位、ボクは今パニックに陥っていた。

こんなになるきっかけは…やっぱり昨日にあるよね、何かあったっけ。寝る前は…

「あれ?」

ボク、寝る前に何してたっけ?


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