「結局あの後はどうだったんだ?」

にやあ、とした顔で…うん本当ににやぁあといった顔で言い放ったレドモンド。不覚にも殴り付けようかと思ってしまった。


いけない。癪だがあの時はレドモンドのお陰でもあった。
すぅと息を吸って気持ちを落ち着かせた。


「…特に何も無かったが」
「何も!?
……せっかく気を遣ってやったのに」

ぐちぐちと言われるが無視だ無視。
実際何も、ではなく抱き付かれはしたし。
無視し続けているとレドモンドはつまらなそうにどこかへ行ってしまった。

…そのおかげで、バイオレットの顔を見るのすら最近はままならない。先日の出来事を思い出してしまう。
…抱き付かれただけでこれとは自分でも先が思いやられるな


「グリーンヒル」
「……いかん。考え過ぎたせいで幻聴が……」
「グリーンヒル」
「またか…そろそろ休まないと」
「また蹴られたい?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

ヤバいまた変な声出た。
ばっと声がする方を見るとバイオレットがいた。

「どうしたの?」
「え、あ、いや何も」

あわあわと口ごもりながら慌ててバイオレットから外した目線をうろうろと彷徨わせる。

「グリーンヒル、好きだよ」
「あぁ……………………えっ、は、え!?」
「………………」

じとりとした目でこちらを見つめてくるバイオレット。俺が困惑してると少しずつ機嫌が悪くなっていくのが分かった。

「…!!
ああ……、…っ俺も好きだ…」

今の俺の顔は残念ながら真っ赤だろう。
バイオレットが薄く笑っている。

「…ね、グリーンヒル、」
「!!」

ぴと、と前みたいに抱き着いてくるバイオレットに心拍数が跳ね上がった。

「最近、寂しかった」

小さくバイオレットが呟く。

「結局前と一緒で…
やっぱり嫌なのかなって」

そんなことない、と言おうとしたがバイオレットの言葉に遮られる。

「今思えば僕も一緒、避けてたしね…
周りにレドモンドとかブルーアー、チェスロックとかいたし…」

そこまでいうと、だから、という言葉を発してバイオレットは今よりも強く抱き締めてきた。
その時小さな声で呟いた言葉。本当に小さかったが俺には聞こえた。

だから、今日は、


2.


本能的にバイオレットにキスをした。
キスをしてしまった後にバイオレットは嫌だったんじゃ、とか何てことをしてしまったんだ俺などと反省が押し寄せたが、
目の前で目を見開いた後に、恥ずかしそうに笑ったバイオレットを見て反省以上に愛しさが押し寄せた。

_(∵」∠)_後書き→



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