「ね、もう良いでしょ?
そろそろ教えてよ。」
「いや、だが…それは、」
「…………怒るよ?」

そう言って不機嫌になるバイオレット。
仕方無いと咳払いをして、じゃあ特徴を述べていくぞという。

「…この前もそうだった…」
「…良いだろう、どうせ分かるだろうし

まず、紫寮にいる同級生。メイクをしていて可愛い。」
「…それ前も聞いた」

そう言うとブルーアーとレドモンドが「これでも分からないのか…」という驚きの声が聞こえた。本当だよな、それは同意する。

「…そして驚くほど鈍感」
「うん」
「そいつと俺は喧嘩した」
「……え、」
「寮花をさしていて、」
「ちょ、ちょっと待って、同級生で紫寮で寮花って、」
「…今俺の目の前にいて顔を真っ赤にしている、愛しい奴だ」
「───!!」

ぼんっと音が付きそうなくらい頬を更に赤く染める。
それが面白くて愛しくて、更に追い討ちをかけるように言った。

「え…待っ、え?」
「名前は、グレゴリー・バイオレットだ」
「うぅ…っばか、待ってってば!」

俺の胸を軽く叩く。

「本当に気付いてなかったのか?」
「…知らなかった、もん」
「……自分で言うのも何だが、俺は結構分かりやすい方だと思うが…」
「そんなのっ、もう、好きなら好きってはっきり言ってよ!馬鹿!」

あんなに散々グリーンヒルの好きな人捜した意味無いじゃん、と言うバイオレットの目が揺れる。
普段ならここら辺で自分も恥ずかしくなる所だが今は何故か恥ずかしくはない。

「…じゃあ次は俺からだ。何故俺の好きな人を捜そうとしたんだ?」
「………す、」
「?」
「す、好きな人が惚れた人のことを知りたくなるのは当然でしょ…」

ふい、と顔を逸らすバイオレットが可愛くて抱き締めた。

「わ、」
「…良かった…好きだ」
「知ってる。…ボクも好きだよ」

ぎゅううっと抱き締めると横から拍手が聞こえた。

「「!!」」
「結ばれて良かったじゃないか二人共!!」
「それにしても…
目の前で見せつけられたな」
「グリーンヒル先輩、おめでとうございます」
「バイオレット先輩ぃぃい!もしまた何かあったら俺に言って下さいよぉお!

テメェ緑ハゲ、もしまたあの時みたいにバイオレット先輩を泣かせるような真似したら許さねぇからな!紫寮生徒全員で殴りに行ってやる!というかもう皆殴る気満々なんだよハゲ!」
「ちょ、チェスロック黙ってよ!」
「泣…?」

チェスロック貴様、先輩に向かってその口調は何だというミッドフォードの声が聞こえる。
泣いた?どういうことだ?
腕の中にいるバイオレットへと視線を落とすと気まずそうに逸らされる。

「…前、グリーンヒルに俺と一緒じゃなくても良いんじゃないかって言われた時に…」
「…ああ…その件は本当にすまなかった」
「だから大丈夫だってば」

これであの日から何故チェスロックが俺を睨んできたか分かった。
それにしてもチェスロックのバイオレット溺愛っぷりはすごいな…
薄く笑うとバイオレットが首を傾げたので何でも無いと答えてもう一度強く抱き締めた。


好きってはっ


「キィィィィイイッ!」
「落ち着けチェスロック!何か色々とおかしくなっているぞ!」
「うるせぇよ馬ぁ鹿馬ぁ鹿テメェなんか大好きだバカ!」
「馬鹿なんかでは………えっ」
「…………あっ」

「あっちもこっちもカップル成立か」
「………ふん、そうだな。
レドモンドも告白したらどうだ?お前なら誰でも落とせるだろう」
「だけどその相手が中々の堅物だからな」
「そうか」
「な、ロレンス」
「…………は?」
「だから、

俺と付き合ってくれないか?ロレンス」
「……っ!き、貴様っ阿呆か!」
「そんな真っ赤な顔で言われてもな…ロレンスは?」
「え」
「俺の事、どう思う?」
「…いで…、な…」
「?」
「嫌いでは、ない………、…っそんな顔で見るな!」
「ちょっ本の角は痛っ、やめ」


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