「で、誰?」

次の日。わざわざバイオレットから会いにきたと思えば「協力するっていったでしょ」と言われた。律義だな。

「…誰って…?」
「好きな人だよ。」

周りをきょろきょろ見て、誰だろ…と呟いているバイオレットが可愛い。

「だっだから言わないと言って…」
「あ」

もしかして、と言うバイオレットに顔が熱くなる。…バレたのか?

「……………ミッドフォード?」
どうしてそう思った

バイオレットはどこか抜けているが、まさか自分の寮弟を言われるとは思わなかった。

「違うの?」
「違う」

うーん…とまた唸り出す。
暫く考え込んでいたが、結局分からなかったのか特徴は?と言ってくる。

「…そうだな…黒髪」
「うん」
「………だけじゃ駄目か?」
「は?」

ぎろりと睨まれた。かなり怖い。
はー…と溜め息を吐くバイオレットが、じゃあと口を開いた。

「ボクが聞いたこと、答えて」
「…出来る限りなら」
「その人はこの学園?
そうなら後輩?同級生?…まさかの先生?」
「…この学園で、同級生。」

先生は無いだろう、先生は。

「同級生…そう。何寮?」

まさかのそう来たか。

「…それは言えな」
「何か言った?」
「紫寮だ。」

アレは言うしかない。顔が怖い。
紫寮だったのが以外だったのかバイオレットが目を見開いた。

「………え…」

まずい。これはバレたと思っていると
「…誰だろう」と言い始めた。

「どんな子?」
「…メイクをしていて、少し抜けていて…可愛い奴だな」

恥ずかしさのあまり顔を逸らす。
バイオレットは「…紫寮の人達は大体そんなだしな…」と呟く。

「…ま、いっか。
グリーンヒルはその人の事どう思っているの?」
「…勿論、好きだと思っている。付き合うことは無くとも、その姿を見られるだけで幸せだ。」
「…そっか。
その人、こんなに想われて幸せだね」

ふわりと微笑んだバイオレットの目に少し浮かんだ悲しげな様子に、俺は気付くことも無かった。


に思


結ばれると良いね、ボクも頑張るよ。と笑いかけるバイオレットに
いつかは伝えたいと思った。

(・ω・)後書き→



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