あの後寮監から怒られた時のバイオレット先輩の顔は可愛かった。
ちらりと隣りにいる先輩を見る。
…相変わらず小さいな
猫背も相俟ってか他の監督生の中でも一番小さいし、最上級生の中でも小さい。
こうして見るとオレよりほんの少し高い位で殆ど同じじゃねぇか。
なにげ無しにじーっと見てるとバイオレット先輩がこちらを見た。
「…何。」
「えっあ、いや何も」
「そう。」
またサッと前を向く。
「ボク監督生になれて本当に良かった」
「え?あ、」
そうですか、と答えようとすると「だって」という言葉に言葉を遮られた。
「チェスロックとこうして一緒にいられるし」
「…っ!!」
ヤバいオレ今ぜってぇ顔真っ赤だ。
「…こんなに有能な寮弟だしね。
一緒にいて楽だし…」
「あ…そうっスか…」
何だ、そういう意味かと少し落胆する。
「…今はそれでもいいですけど、」
「?」
「いつか─────」
「………ごめん、聞こえなかった」
「いや、何でもないっス。
気にしないでください」
変なの、と言う先輩に微笑んだ。
今はそれでもいいですけど「いつか、寮弟としてではなく、恋人としてそう思ってもらえたなら」
後書き┏(^o^┓)┓→
【Home】