無口な彼の秘めた想い (2/3)
「水戸部ー」
朝、水戸部を見つけたので抱きついてみる。
「……………」
ちゅっ。
水戸部がいきなり俺の鼻梁にキスをした。
「なんだよ水戸部ー。くすぐったいよ」
あ、水戸部が笑ってる。笑った顔も好きだなぁ。
「か、可愛いって言うなよっ」
いきなり可愛いとか……俺、男なんだけど!
「……………」
「え、早く行かないと遅刻する? やっべぇ! カントクに殺される!!」
急がないと!
昼休み。水戸部と屋上でお昼ご飯だ。
誰もいないから二人きり。……ちょっとイタズラしてみよっと!
「凛之助」
名前で呼んでみる。
俺も水戸部も、普段は苗字でしか呼び合わないから新鮮だ。ビックリしたかな?
「…………………」
あ、照れた。耳がちょっと赤い。もっと赤くしてみよう。
「凛之助、だーいすき」
後ろからぎゅうっと抱きつくと、いきなり目線が変わった。あれ?
「俺いつの間に水戸部の膝の上に移動したの?」
しかも後ろから抱き抱えられる形で。
「…………」
ちゅっ。
「のわっ!?」
首筋にちゅーされた!
ちゅっ。
「水戸部!?」
今度はワイシャツ越しに背中。
くるりと向きを変えられ、水戸部の膝の上でお互いの顔が目の前に来る状態になる。
そして。
「水戸部! ここ学校っ! ワイシャツのボタンあけんなって!」
「……………」
「誰も来ないからとかっぁ!」
ちぅー。
俺の平たい胸に水戸部がキスをする。キスマークがついた。
「ちょ、部活で見られたらどうするんだよ」
水戸部曰く、見えないギリギリのラインにしたから大丈夫、見えても慎二は俺のだから問題ない、らしい。
そうして最後は唇に啄むようなキスをされ、水戸部は飲み物を買いに行った。
つーか……
「問題ありすぎだぁぁぁあ!」
俺の叫び声が屋上に響く。
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