2012-04-17
【Take the A Train!!】
♪My funny Valentine
Sweet comic Valentine
You make me smile whit my heart〜
「懐かしいですね」
「懐かしいって、俺らの年代で知ってる奴いないだろ?」
「確かにそうですね」
手には、お揃いのマグに入った2杯目のホットウィスキー。
耳には、チェット・ベイカー "My funny Valentine"
オーディオのデジタル表示が時を刻む。
「ホットウィスキー呑むと何故かチェット・ベイカーなんだよなぁ」
「なぜでしょうね」
「最初は甘くて美味いけど、冷めたらどんどん不味くなるから?」
龍一郎の述べるところ…。
『若いころは良かったが、ラッパ吹きの癖に、薬でラリって喧嘩して歯を折られてからは衰退の一途を辿り、その後ディズに助けられ、音源を発表するが、名盤“Chet Baker Sings”を超える事はなかった…』
っといったところだろうか…。
「では、オン・ザ・ロックなら?」
朝比奈が問うと、龍一郎は「ん〜、モンクとか?」と言う。
「セロニアス・モンクですか?」
「何か不満か?」
「いいえ」
「もしくは、サッチモ?」
「全く違う方向に行きますね…。
ん〜、ルイ・アームストロングは、ハイボールですね」
「そうかぁ??」
「結構、合っていると思いますが」
「ちなみに、ビールなら誰だ?」
「ビール…ですか」
一呼吸置いて、二人は息を揃えるように名を発する。
「「クリフォード・ブラウン!」」
二人は笑う。
「一緒だな」
「一緒ですね」
「あの音は“耳越し”が良いからな」
「彼のトランペットは技巧派ですからね」
「俺は、ベタに“Take the A Train”とか好きだな」
「ベタですね」
「悪いか?」
「いえ、私も好きですよ、ブラウニーの“A列車”…」
「…26だっけ、死んだの」
「確か25歳だったと…」
「あるか?ブラウニー」
「ええ」
朝比奈がクリフォード・ブラウンの“A列車で行こう”を掛ける。
リセットされたデジタル表示が04:20からカウントダウンを始める。
警告を模したライドシンバル。
力強いピアノは、前へ進むSLの車輪。
軽快なテナーサックスは、トンネルを抜け、解放された窓から見える風景。
華やかなトランペットは、彼方を旅する人達の談笑。
“A列車”は夢を乗せて走り続ける。
「ビールじゃないけど」
「冷めたホットウィスキーですが…」
儚い命に
尊い夢に
愛する恋人に
親愛なる両親に
全ての兄弟に…
祈りと願いを込めて…
「「献杯…」」
+++
いくら探しても、ラックの中から、名盤"Chet Baker Sings"が見つからないから、腹癒せに書いた。
未成年、そして、ジャズ聞かん人にはチンプンカンプンな文で申し訳ない。
学生時代に、朝比奈が聞いてたのを龍一郎が真似して聞くようになったら可愛いな…。
あと、全然関係ないけど、朝比奈がジャコ・パストリアスとか聞いてたら滾る!
ちなみに、この中で龍一郎と朝比奈が聞いていたのは↓
Take the A train→amazon…のTrack11
My Funny Valentine→amazonの10曲目
セカコイファンの年齢層って20歳前後よね?
つか、最近の30代でもジャズなんて聞かんか??
2012-04-01→2012-04-16