加虐気味な彼と、それを煽る彼の話@ | ナノ


2012-02-29


 原作本、羽鳥誕生日回の翌朝を自己補完。
 書き始めたら、エライ長くなってしまった…のに、全然エロくない。
 エロ部分無しで読みたい方は丸川ハットリくんに事後SS献上していますので、そちらへ…。
 本当に最初から最後までヤッてるだけ…でも、書きこんだからMainにアップ…。


+++


 目が覚めたらお昼に近い時間だった。

(今日はトリ、有給って言ってたっけ?)

 そんな事を思いながら吉野は、枕に再び顔を埋めた。
 朝晩涼しいこの時期も、日中はまだまだ暑い。

(ん?クーラー入ってるのか…)

 寝起きの頭はぼんやりとそんなことを考える。

「おはよう」

 背後から声がする。

「慣れない事して疲れたか?千秋?」

(慣れないこと?
 …ああ、トリん家の掃除とかして……
 で、どうしたんだっけ?
 ……ん?まて、今、『ちあき』って言わなかったか?
 ……ヤバイ!何か変なスイッチ入ってる?)

 無論、そのスイッチのONの部分には、毎度毎度ご丁寧に「ヤる気」と書かれているのに、吉野は気付かずONにしてしまう。
 吉野なりの防衛本能が働くのは、時すでに遅しと、GO TO HEAVEN!のフラグが立った後。

 下半身に感じる体温。
 人の手。
 自分の手は…ココにある。

「や、ちょ、ちょっと待て!」
「何を待つ。
 朝だから仕方ないだろ?」

 それは、男の生理現象。
 健全な男子たるもの朝から元気なのである。

「さ、触んな!
 仕方なくなんかない!」
「今、何時だと思っている」
「へ?今?11時?」
「お前は、何時間寝たら気が済むんだ」
「ん〜、いっぱい?」
「お前と一緒の時間寝てたから、逆に寝過ぎで腰が痛い」
「こ、腰が痛いなら、やめろ!」

 振り払おうにも、長い腕が吉野の身体を抱き込んで攻撃を妨害する。

「何、を?」
「えっ?」
「腰が痛くなるような事がしたいのか?千秋」
「――― っ!」
「安心しろ、軽く運動するだけだ」
「ま、待て!落ち着け、トリ!」

 足をバタつかせても、簡単にあしらわれる。

「今、なに想像した?」

 甘く響く低音。

「何週間ぶりだろうな?」
「っ!」

 色気を含んだ質問は、このあとの行為を容易に想像させる。

「そんな顔されると、期待に答えたくなるな」
「答えるな!」
「善処する」

 矛盾だらけの押し問答。
 ベッドで愛を囁くには長過ぎた友情期間。
 どんどん溶かされて行く理性。
 何重に重ねた羞恥の鎧でさえ、背後の男はいとも簡単に解いてゆく。

「…あんっ」

 首筋に這った舌。
 熱い吐息。
 自分の熱を追いたてる骨ばった掌。
 その刺激に耐えられず漏れた己の甘ったるい声。

「ちょっと肌寒いし、ねちっこいセックスがしたい」

 とんでもないことを言い出す恋人。

「つ、つか、肌寒いなら、クーラー切れよ!
 って、ねちっこいってなんだ!」
「前言撤回。
 大丈夫だ、すぐに熱くなる」

 何を言っても無駄なのだ。

「ねちっこいと言っても、俺がねちっこいだけだから、お前は気にするな」
「気にする!気にす―――ん、ん」

 塞がれた唇から、体の中に直接伝わる声。
 刺激された下半身は、否応なしに反応する。
 『待って』と言っても待ってくれない。


――― いや、待てないのは、トリじゃなくて、俺か…。


+++


Aはpass付けるほどではないですが、Dまでの続き物なので、パス付です。
吉野が風邪をひきながら執筆を続ける丸川書店第三会議室に現れた優。
彼はどこから来たと言っている??
そして、どこへ戻っていく??
○○先生んとこ。
漢字4文字。

pass付を飛ばす方は→こちら


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