2012-11-16
最近、とんと布団が恋しいのは私だけではないはずだ!って事で仕事の休憩時間に書いた。
即席SS。
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秋の涼しさがどんどん遠ざかり、近付いて来たのは白色の冬の季節。
冬の朝と言うのは、どうしてこうも布団が恋しいのだろう?
休日ともなれば、その度合いは酷いくらいに増す。
ぬくぬくと、布団にくるまれながら休日の朝を過ごしていると、こんな声が聞こえた。
「寒くないか?朝比奈」
おかしな話だ。
昨晩から一度もこの布団から出ていないのだ。
熱は逃げていない。
それに、冬は始まったばかり。
零下なわけでもなければ、雪が降っているわけでもない。
まだまだ真冬に時間がある。
「そう…ですか?」
「俺が寒いって言ってんだから、さみーんだよ」
そう言って、私をにギュっと身体を寄せて来た。
触れた足は、そこまで冷えていないし、私を掴む手は私より温かい。
「だから…暖めてやるから、もうちょっと寝てろよ」
悲しいかな…恋しいのは私ではなく、きっと布団なのだろう…。
「はい、そうですね」
そう言うと、びっくりした顔で私を見る。
腰に手を当てて引き寄せると、私の胸にすっぽりと収まる。
「何か?」
「いや、なんでもない」
少し拗ねた口調でそう言われてしまったら、思わず頬が緩んでしまう。
ああ、益々布団から出る気がなくなってしまった。
「確かに、寒くて仕方ありませんね」
「だから、言ってんだろ、寒いって!」
彼はニヤリと片方の口角を上げると、また私の胸に顔を埋めた。
『時にはこうして飴を与えないと…』などと、もっともらしい言い訳を考えたが、本心を言えば『こうしていたいだけ』
そんな事を言えば、彼はさっきよりも驚いた顔で私を見るのだろうか?
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タイトルは、トモフスキーの名曲より…。
いや、朝比奈。
龍一郎様はどっちも恋しいんだよ。
特に朝比奈がね!!
途中で、「やべぇ、のわヒロになりそう…」とか思ったけど、野分はたぶん「俺、布団にヤキモチ妬きそうです」とか、言っちゃいそう。
その点、朝比奈は言わなさそう。