▽とある男の独り言



初めまして。

俺はゴッドリック・グリフィンドール。

炎のような赤い髪に鮮やかな緑の瞳の十八歳だぜ。

鬱蒼と生い茂る森の奥に俺は住んでいる。

え?

親はいない。

まー、多分捨てたんじゃねぇ?

師匠曰く、『オマエの力は強過ぎる』って。

実際、コントロール失敗☆で、良く暴発させたしな!

師匠から譲り受けたうっす暗い森に住んでる訳だ。

師匠から貰った家なんだが、独り暮らしってわけじゃねーんだ。

師匠には見えてないのが多かったけど、シルフもウィンディーネも沢山の妖精がいるし。

それに何より、《あの子》がいた。

《あの子》はこの家の隠し部屋にいた。

師匠はこの事に気付いてなかったんじゃねー?

一言も無かったし。

柔らかく美しい金糸が白いシーツに広がり、前髪が整った顔を少し隠す。

白皙の肌は他の追随を許さぬ程、透明感のある美しい真珠色だ。

最初は、五歳くらいの人形だと思った。

だって、スッゲー綺麗なんだもん。

触ったら柔らかくって温かくてビックリした。


 生 き て ん じ ゃ ん ッ !


三年程この家に住んでんけど、未だに目を開けた所見た事がない。

ダチいるけど遠いしなー。

早く目を開けて、俺の話相手になって欲しいぜ。


「早く、目を覚ませよ」

「…………………………ん……」

「!!!???」


長い睫毛が緩やかに動き、宝石のような色違いの瞳が現れた。

ぼんやりと視線は彷徨い、緩慢とした動きで手足が動く。

そして、俺を映した。

これが俺の初めての弟子にして、後々のホグワーツ創設に貢献した彼との出会いだった。




110730



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