ドタドタドタドタ
スパーンッ
「姉さんっ!」
「きゃっ!」
慎ちゃんがあたしを呼ぶのと、あたしが悲鳴をあげたのはほとんど同じタイミングだった。 びっくりするあたしとは対照的にいつも以上にニコニコしている慎ちゃんに首を傾げた。
「どうしたの?慎ちゃん」
「姉さん、誕生日おめでとうございます!!!」
「え?」
今日って2月14日なの? っていうか何で慎ちゃんがあたしの誕生日なんて知ってるんだろう…
「以蔵君から聞いたっス!以蔵君と姉さんは誕生日が一緒だって!」
「あぁ…!」
そう言えば前に以蔵とそんな話をしたような気がする。
納得していると慎ちゃんは襖を閉め、あたしの目の前に膝立ちして懐から何かを取り出し、あたしに見せてくれた。
「これは俺からの贈り物っス」
慎ちゃんがくれたのは、慎ちゃんの着物に似た緑色のかんざしだった。
照れくさそうに笑った後、付けても良いっスか?と聞きあたしの髪にかんざしを付けてくれた。
「へへっ、俺の着物とお揃いっス」
「ありがとう、慎ちゃん!」
あたしがお礼を言うと、慎ちゃんはハッとしたような顔をした後目線を泳がせた。
「そうや…そんな上目遣いで見られたら…」
「慎ちゃん…」
「いつも龍馬さん達はこんな可愛いそうやを見てたんスね…」
ずるい、と呟いて少し落ち込んだ慎ちゃんはあたしをきゅっと抱き締めて髪を優しく撫でてくれた。そんな慎ちゃんが可愛くてクスッと笑って慎ちゃんの背中に腕を回す。
「そうや…」
あたしの髪を撫でていた手を頬まで持ってきて、くいっと顔を上げられた。いつもは同じくらいの目線の高さだけど、今日は慎ちゃんに見下ろされていて…男らしい慎ちゃんにドキドキした。
「来年の誕生日も、再来年の誕生日も、ずっと隣に居て下さい」
あたしがはい、と返事をするとちゅっと音を立てて優しくキスをされた。だんだん深くなっていくキスの中で、この先の誕生日をずっとこの人と過ごす事が出来たら…、と思いながら慎ちゃんに全てを委ねた。
2011.02.22
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 次女の詩姉からいただきました!好きな人の余裕がないって感じ好きです(^p^)w あー、慎ちゃんに祝ってもらえるなんて幸せだ!
詩、祝ってくれてありがとう! 大好きだよ…!!
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