頭に暖かい温もりを感じて目が覚めた。(恥ずかしいから)やめてと言ってるのに今日もうちの船長はやってくる。わたしを起こしに。
いつからこんな習慣になったかは分からない。特別朝に弱い訳じゃないし寝坊常習犯な訳でもない。
いつも朝目が覚めると、ルフィが柔らかな表情でわたしの寝顔を見つめているのだ。
「起きたか」
『おはよう』
寝ぼけ眼のままぼんやり見つめ返す。撫でるようにわたしの髪の毛を触ってる。楽しいのかな。ちょっと口元緩んでる。
「寝癖ついてんぞ」
『え?』
「ここ」
何人もの敵を殴り飛ばしてきたとは思えないその大きな手でわたしの毛先を触る。細いんだけど大きな手。綺麗なんだけどごつごつした拳と指。その指にわたしの髪をくるくる絡ませながらわたしに見せて「な?」と笑った。
『ルフィはいつも寝癖みたいな髪してるよね』
「む、そうか?」
『自然で好きだけど』
「ならいいや」
指が耳に当たってくすぐったい。嬉しそうに笑うその笑顔がわたしをくすぐる。時々、ほんとにルフィが三億の懸賞首なのか分からなくなるよ。
「朝メシ始まるぞ」
『まだ眠いよ…』
そう言えば今度は寝てる猫の毛並みを整えるようにわたしを触る。そして笑った。
ルフィがくれる言葉や表情全てを宝箱かなんかにしまい込んで消えないようにしたいよ。鍵を付けて。
「じゃあ、もう少し寝っか」
『え、いいの?』
「ああ」
『お腹空かない?大丈夫?』
「それよりも名前と寝てたい」
ぎゅうう、とわたしを抱きしめて、ん〜〜と唸った。
まるでルフィの方が猫みたいで笑ってしまう。そして、ルフィがくれる言葉が全部無自覚なものだから、更に。
ルフィの肩に顔を埋めて思い切り匂いを吸い込んで目を閉じた。
知らないのは二人だけ
そのゆらゆら揺れてる想いに
「起きなさいって言ってるでしょ!」
『ひい…!な、ナミ!』
「なんだよーせっかくこれから二度寝を」
「起こしに行った本人が寝てどうすんのよ!」
- - - - ヒロミさま* お待たせしました、甘い小説という訳でしたが…あ、甘くなったのかな…これ。なんだか砂糖一杯分って感じになってしまったような…! 絵の方も楽しみにして下さってる様で、ありがとうございます。 SWのルフィなんですが、もう少しお待ちくださいね!一緒にご用意出来なくてすみません、ひとまず小説だけでもと思い先走りました!少々お待ちを。
20101206
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