「今日は満月だな」
そう隣から聞こえてわたしは空を仰いだ。確かに綺麗な満月だった。月の綺麗な夜はなにか胸が躍らされる様な気持ちになる。
けど、それ以前に。
「やっぱ美味いなあ、サンジの作るもんは」
わたしが貰った夜食を頬張り付きながらそんなことをほざいているうちの船長。
なんでここにいるのか、って。それは不寝番に向かうわたしが持つこのおにぎりに勝手に吊られて来たから。もっと大した理由はないものだろうか…。
おにぎり、って!
視線を感じて隣を見たらすごく真面目な顔のルフィ。
「喰わないのか?」
『あ、残しておいてくれたの?』
「当たりめーだろ」
『ありがとう(どう考えても当たり前じゃないと思うけど)』
二つあったおにぎり。ちょこんと残されたおにぎりを頬張り大きく口を開けた。
あ、美味しい。さすがサンジくんだな。時間が経ってもこんなに美味しいや。こんなに月が綺麗だと、お月見団子も食べたいな。こうやってルフィと二人並んで月を眺めるのもいいなあ、なんて思ったり。
そしてまた感じる視線。彼にこっそり見るという考えはないんだろうか。ゆっくり隣を見たら、また真面目な顔。なんか、月に照らされてかっこいいかも…、
「付いてる」
え。
もしかして、ご飯粒…!?こんな時にわたし何してくれちゃってんだ!恥ずかしい…!咄嗟に口元に手を伸ばす。
が、その手は遮れて唇に柔らかいものが当たった。
冷えた唇が今の現状を悟る。これ程、目の前のことがスローモーションに見えるものだろうか。
けれどそれが何なのか気付いたのは目の前で嬉しそうに笑うルフィを見た後。そして、わたしの知らない、月に照らされた笑顔でこう言ったのだ。
「なーんてな」
にやりと笑ったその微笑み、まさに
彼はモンスター
- - - -
まゆさま*
え!?これのどこに「甘」があるねん!
そ、そう思いましたよね、すみません…。夜のシチュエーションにしたらこうなってしまいました…。多分、この後に甘い関係があるかと思われます。(←だめじゃん)
何回か拍手の方も下さっていてほんとうにありがとうございます。こ、こんな甘悪ルフィでよければどうぞ!差し上げます!
この度は5万打企画に参加して頂き、ありがとうございました!しゅたた!
20101210