「お前って、かわいいな」


第一次天然戦争の攻撃はこれだった。ルフィたちと鬼ごっこをしてる時に、ちょうどわたしが格好悪くこけてしまって、ルフィが心配してくれて手を差し伸べてくれたのは良かったのだけど、顔を上げたらとっても近くて、わたしはそれだけでドキドキしてしまったというのに。


「目もなんか、きれーだし、肌も…」

『…な、わ、わああああ!』


頬に向かってゆっくり伸びてきた手を思いっ切り振り払ってわたしは逃げ出した。だって、な、に、そ、れ!びっくりするじゃん!サンジくんが言ってくれるのと訳が違う。

それに、あいつ絶対無自覚…。

ため息を付いて飲んでいたお茶をカタンと鳴らせてテーブルに置いた。


「なあ、名前」

『ふえっ!?え!い、いつの間に…!』

「ずっと前からいたぞ」


口から出そうになったお茶を手の甲で拭いながら目の前の人物を確認する。完璧に気づかなかった。その人物は肘を突いた手に顔を乗せてわたしをガン見している様子。


「なあ名前ー」

『な、なによ』

「なんでおれ、名前のこと見てると嬉しいんだろうなー」

『…はい?』

「んーそっか、名前のこと好きなんだな。うん」


ど、どうしてそんなさらっと言っちゃうの?まるで「いただきます」や「ごちそうさま」と同じ様に。そんでもってルフィが人に対しての「かわいい」とか「好き」という言葉を使うことが異様だ。

人の気も知らないで、なんでこんなににこにこ笑っちゃってるのさ!今のわたしの心拍数を教えてやろうか!


『ルフィ』

「ん?」

『ルフィの好きは、その、どういう、好きなの?』

「は?好きに肉もへったくれもねぇだろ」

『うん、もういい』


もう駄目だ。分かってたことだけど会話が成り立たない。こいつの天然戦争に真面目に闘おうとするのが間違いだったんだ。無駄にドキドキしてしまう自分が悔しい…。

風にでも当たってこようと思って立ち上がったとき。


「ああ、分かった!」


ルフィの頭の上に電球が見えた気がして、続きだけでも聞いてあげようかと思い振り向いたら、あら、とっても嬉しそうな笑顔。


「おれ、名前とキスがしたい」


わたしの顔が熱で爆発したことは言うまでもない。



爆破注意報

どんな爆弾よりもあなたには敵わない





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かぬさま*
5万打企画ご参加ありがとうございました!
アホ×直球すぎる発言×ギャグ×甘ということで、ご希望に添えたかどうか分かりませんが…、わたしの実力の結果です(笑)ルフィときり丸の小説まで読んで下さってる様で、ほんとに嬉しい限りです。
どうもありがとうございました!これからもよろしくお願い致します*

20101123