「紹介する!新しい仲間だ!」
連れて来られてきたのは船。…海賊船!?だって上に揺らめくのはドクロのマーク!?まさか、ほんとにこいつ海賊とかいう奴なの?こんなアホみたいな顔して?(ひどい)目の前にいるのは数人の人、物?なのか。
「えーと、お前なんていうんだっけ?」
『…名前。』
「そう名前だ!みんな仲良くしろよな!」
普通新しくやってきたわたしが紹介される立場ではないか?それに、わたしはまだこいつの仲間になるなんて一言も言ってない!
先程よりも怒りボルテージが上がってきていたが、そこに気持ちのよい音がこの船に鳴り響いた。
ドコッ!
「あんたこの子の言い分聞かないで連れてきたんじゃないでしょうね!?」
「いっでぇ…!違ぇぞこいつはおれの仲間になるんだ!」
「だからそれが強引なのよ!」
ドゴッ!
痛そう…。オレンジ色の髪の女の人の鉄拳が鷹の様に飛んでいる。
「まあナミさん落ち着いて。美しい女性が増えるんだ、歓迎しようじゃないか」
「誰もお前の意見なんざ聞いてねえよ、クエスチョン」
「…誰がクエスチョンだクソマリモ!?」
「うっさいのよあんたら!」
ドコッ!
わ、ほんとなんて素晴らしい鉄拳。間違っても喰らいたくない…。てか、わたしはこんなとこでのんびりしてる場合じゃないし、海賊にもなる訳にはいかないの。
『…わたし、帰ります!』
「んあ!?」
「な、なぜだ!」
「もう帰っちゃうのか?」
『わたし、海賊にはなりません!』
そうよ。とにかくわたしはこのへんてこな世界から抜け出さなくちゃいけないのよ。あの可愛いタヌキちゃんと離れるのは惜しいけど、帰らなくちゃ!
「おっ、おい!待てよ!おれの仲間!」
「やめろその呼び方」
「諦めろ、あいつにはあいつの人生があるんだ」
だって、今日は確か日曜日なはず!見たいバラエティ番組だって、残してあるデザートだって残ってるんだから!
いざ、わが日本へ!
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