鮮やかブルー | ナノ







そして夜が明けた。

目が覚めたのは甲板から大きな声が聞こえてきたから。


「島が見えたぞーっ!」


島…!

こっちの世界に来て、あの島に辿り着いてから上陸するのって初めてだ!

どうしよ、なんだかすごく楽しみになってきた。

隣で二人がまた寝ていることを確認してから、わたしはわくわくしながら部屋を飛び出した。


『島…』


甲板へ出ると小さくだけど水平線に島が見えた。

どんな島だろう。どんな街かな。元々旅行するのは好きな方だったし、楽しみだな。


「名前嬉しそうだなっ!」


声のする方を振り向けば誰もいない。あれ?

そんなわたしに気が付いたのか足のふくらはぎらへんをツンツンされる。あ、チョッパーだったんだ。


「名前島に着くの初めてだろ?楽しみだな!」


チョッパーもさっき起きたのか眠そうに目をこする姿がなんとも可愛らしい。


『うん!すごく楽しみ!』


海をもう一度見たら、また島がどんどん大きくなってきてる。午前中には着くのかな。


「名前ちゃーん!おはよう!」

『あ、サンジさん、おはよう』

「もうすぐ島に着くからレディ用の弁当作ってんだ。良かったらこっちおいでよ!」


お、お弁当…!サンジさんのだったら絶対おいしいよ…!


『うん!!いま行く!』

「めろりーん!」


なんだか、上陸がすごく楽しみになってきちゃった。

キッチンへ行くと色とりどりの食材が溢れていて、可愛らしいお弁当3つに他に海賊弁当と言うらしいボリュームたくさんのお弁当。

お、おいしそう…!


「名前ちゃんデザートは何がいい?」

『え!うーんと…』

「肉!おれ肉!肉な!ぜってー肉いれてくれよな」

「クソゴム…いつの間に沸いてきやがったんだ、おめーには聞いてねえよ」

「なんだよーケチ!」

「第一、肉は既に入ってるぜ」

「うっほー!さすがサンジ!」


ほんとこいつどこから沸いてきたんだろう。神出鬼没だなあ。

隣でテーブルに両手を乗せ足をぴょんぴょんして、ほんと子供みたい。


「あ。名前なんで笑ってんだよ」

『え、わたし笑ってた?』

「おう。あ、そーだ!お前初めて上陸すんだろ?冒険しにいこーぜ!」

『えっ?冒険?』

「クソ野郎、名前ちゃんがお前なんかと冒険とやらに行くわけねえだろう。名前ちゃんにはおれがたっぷりの愛でエスコートして差し上げ…」

『行く!!』

「へっ?…名前ちゃん!?」

「だろっ?しし!行こう!」


だって、わくわくするんだもの。


「サンジ!特大盛りな!」






- - - -
20110516