「で、なに?結局ウソップが作ってくれた武器はルフィに取り上げられちゃったって訳?」
『…うん』
夕べあったことを女子部屋で話した。
サンジくんがさっき「持っていきなよ」と渡してくれたお茶が部屋を良い香りにしてくれている。
「ルフィ何か言ってたの?」
『え?強く、なってほしくない、って』
先程の記憶を辿りながらぼそぼそとそう言うと、ナミさんは目を丸くしてわたしを見つめていた。
『え?』
「ルフィが?」
『う、うん』
「名前が大事なのよ」
隣を向けばロビンさんが片手に顔を乗せながらにっこり笑ってそう言った。
大事?わたしなんかが?
『どうしてわたしなんか』
「それは船長さんに聞いてみないと分からないわ」
「ルフィがそんなこと言うなんてね…」
『え?ど、どういう』
二人はなんだか納得しちゃった感じ。え?なんかわたしだけ入り込めてない感じなんだけど…?
『でも!わたしこのままじゃダメだと思うの』
「まあ、確かにそうね」
「闘えなくちゃ戦闘のときは困るけど、自分を守れればいいんじゃないかしら」
『守る?』
そっか。そういう手もあるのか。
それならわたしでも何とかなるかもしれない。
「でも名前、焦らなくたっていいんだからね。まあ足手纏いだけはごめんだけど」
『うん…ありがとう』
二人を見たらにっこり笑ってわたしを見てくれた。わたしを思ってくれる人がいる。こんなに嬉しいことなんだって初めて思った。
「ほら、お風呂入っておいで」
バスタタオルと着替えを持って浴場へ向かう。よし、お湯に浸かりながらもうちょっと考えよう。
- - - - 20110113
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