鮮やかブルー | ナノ






『ウソップ!わたしに武器を作って!』


船尾でウソップ工場を開拓してるのを訪れて、そう叫ぶと彼は口をぽかんと開けてわたしを見上げた。


「どうしたんだ?」

『わたしも、みんなと一緒に闘えるくらいになりたいの』

「おお、感心だな!」

『だから、お願い!ナミさんの武器もウソップが作ったんでしょ?』

「そうだぜ!まーおれにかかりゃ、どんな武器もかっこよくて優れたものに『ありがとうウソップ!』

「あ、ああまだ言い終わってないんだけどな」


ということで、まずは形から入らないとね!ウソップがいくつか武器の案を出してくれ、ひとまず試供品を作ってもらうことになった。

出来るまで触るなよ!と言われたため甲板に行くことにする。それでも文句を言いながら作ってくれるウソップは優しいと思う。

そんなことを考えているとチョッパーにだるまさんころんだに誘われた。


「名前ー!一緒にあそぼー!」


隣でルフィも嬉しそうに手を振ってる。うん、平和だな。わたしこの船のみんなのこと、徐々に大好きになっていってるなあ。

二人のところまで駆けていくとすでにチョッパーが壁に顔を向けて数字を数えている。だるまさんがころんだなんて久しぶり。


「なあ名前」

『ん?』


だーるまさんが…


チョッパーの声に意識しながらわたしに話しかけたルフィの言葉に反応した。


「お前強くなりたいのか?」

『え?あぁ、うん』


こっそり動くわたしに反してルフィは頭の後ろに手を当てながらゆっくり歩いていた。


「なんでだ?」

『え、だって、わたし弱いから』

「別に弱くないだろ」

『弱いよ、闘えないし』


こーろんだ!


…だーるまさんが


『この前みたいにみんなに迷惑かけたくないから、』

「みんな迷惑なんて思ってねえぞ」

『それでも。強くなるって決めたの』

「そっか」


ルフィにしては少し寂しそうな声だった。寂しい、とはちょっと違うかもしれないけど「そっか」のセリフだけ声のトーンが低かった気がした。

気になってルフィの顔を見たけど、至って普通だった。気のせいか。


だーるまさんが…


「タッチ!逃げろーっ!」

「待てえええっ!」

「ほら、名前逃げるぞ!」


突っ立ったままなわたしの腕を掴まれ、走った。





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20101103